9月に入ってNASDAQやS&P500が右肩下がりになっています。
大前提として8月末のジャクソンホールでのパウエル議長の講演や9月のFOMCから
・当面利上げしない
・インフレ率2%を超える段階ではじめて利上げを検討する
・経済状況、失業率の推移など景気動向に気を配っている
といったアナウンスがありました。これらは基本的に株式投資や金などのコモディティ投資にとっては青信号のシグナルです。
基本的には政策上は金融商品を買って良しなのですが、ポジティブな状況ではないのはここ数日のマーケットの動向からも何となく分かるかと思います。
3月のコロナショック以降、株式市場は非常にわかりやすいものでした。
これは勝ち組銘柄・負け組銘柄、勝ち組セクター・負け組セクターがはっきり分かれたため勝ち組に素直に乗ることで収益を得やすい状況だったからです。
今後はこの分かりやすい状況が変わる、潮目が変わると思われます。
材料は
・ワクチン開発、承認の状況
・各国の経済対策。特にアメリカの経済対策
・経済状況の改善、雇用の改善(あるいは再悪化)
・コロナ感染者数の推移、ロックダウンの状況
といったものです。
ワクチンが承認されて使用開始されるとコロナを巡るあれこれが一変します。
これまで抑えられていたものが解放され、経済状況が好転します。そうなるとハイテクを中心としたコロナの影響でプラスになっていた企業が落ち込み、コロナの影響を思い切り受けていた企業が伸びる可能性があります。
一方でワクチンの承認が遅れたり、承認されたものの重大な副作用がある・効果がないなどネガティブなニュースが出ると2~4月頃の状況に戻る恐れもあります。
雇用の改善など経済指標に関するポジティブニュースが出た場合も同様です。思ったよりも悪くない・コロナ感染者数の変化に関係なくロックダウンが解除されるなどノーマルに戻る傾向が出てくると状況は一変すると思います。
一方で既に期限切れの保障政策に対して、追加対策・つなぎ対策が打ち出せずギクシャクした場合マーケットがネガティブに反応し下落のリスクが出てきます。
問題はこれまでに述べたことが入り混じって発生する可能性があるということです。
速やかに決まって欲しいことがなかなか決まらず、じりじり・ギクシャクした状況が続くとこの先どうなるかが見えにくくなります。
これは困った状況ではあるのですが、マーケットは本来そういったギクシャクしたものであり何か1つの要素で分かりやすくベットすることができたこれまでが異例と捉えるべきです。
大統領選挙の動向もあり、ここしばらくはギクシャクするものと捉えてガードを締めて慎重さを持って臨むべきと思います。私も一定の現金は残して備えたいと思います。
全降り・全乗りは避けて潮目の変化を観察しながら、チビチビ取り組んでいきたいと思います。これをご覧の皆様もこれをきっかけに観察してもらえれば幸いです。