今回は色々な方からヒントを得て思いついたポートフォリオ調整方法をお伝えします。
題して「自分に都合の良いポートフォリオの組み方」です。
着想は
山崎元さんのこちらのコラムと
東大バフェットさんのVIG=貯金箱という考え方
から得ています。
山崎元さんは私も以前誤解していたのですが、投資をしない方向けの著書などから「インデックスおじさん」という印象が強いのですが、個別株投資に関する著書も多く知見も豊富です。今回のコラムはインデックス投資をベースとした上で「個別株投資にもチャレンジしてみたらどうですか?」という内容なのですが、投資資金のコントロール方法に感銘を受けました。
東大バフェットさんは着眼点が特徴的で、一般論とは違う目線を持っているので賛否は別として見方を参考にしています。VIGの下落耐性を活かした資産管理方法が今回とても参考になりました。
<自分に都合良いポートフォリオの組み方とは?>
1.iDeCoとつみたてNISA(もしくは一般NISA)で定額積み立て運用を行う
2.インデックス運用の投資信託もしくはVIG、VOO、VTIの自動積立を行う
3.2.が一定額貯まったら、売却して個別株を購入する
4.1~3を繰り返す
ベースは山崎さんの
(1)毎月必要で、かつ可能な金額を世界株のインデックスファンドに自動的に積立投資する仕組みをつくる。例えば、毎月の手取り収入が30万円のサラリーマンなら5万円をインデックスファンドに積立投資する。
(2)貯蓄が個別株を3銘柄以上買える金額になったら、個別株投資をスタートする。最初から3銘柄以上でスタートしよう。
(3)インデックスファンドへの積立投資はずっと継続し、金融資産額が次に買いたい個別銘柄を買える金額になったら、それを解約して個別銘柄を買う「リレー投資」を行う。
(4)投資銘柄を少しずつ増やしてバランスを取りながら、ポートフォリオを「育てる」。バランスの取れた状態の十数銘柄くらいになると、かなり安心だ。
という手順です。
ポイントは
・ベースはあくまでインデックス運用である
・個別銘柄の投資にシフトしなくても、問題ないこと
だと思います。特に大事なのは後者です。
個別銘柄の投資は銘柄分析や入口・出口の戦略検討など色々と難しい部分があるため躊躇する方も多いです。いきなり個別株投資だと火傷することもありますし、躊躇したまま投資できないと現金を貯金したまま資産拡大のチャンスを逃すことになります。
でもこのやり方ならインデックス運用は継続するので、少なくともインデックス運用の運用益(要は市場成長率分の収益)を得ることができます。これは現金の投資(貯金)よりも圧倒的に有利です。
あくまで楽しみ・趣味の範疇でα(アルファ)を狙いに行くのが目的なので
・マーケットが良くない時
・投資したい銘柄が見つからない時
・分析不十分な時
には無理に個別株投資に踏み切る必要はなく、清々とiDeCo・NISA・インデックス投資を続ければ良いのです。自分に都合の良いタイミングのみ個別株投資をすることで「良いところを両取り」するという考え方です。
デメリットがあるとすればインデックス→個別株投資に切り替えた後でこけてしまうことですが、自分に都合の良いポートフォリオはiDeCo・NISAはそのままなので少なくともこの部分は影響を受けません。また痛手を負った後は個別株投資を休止して、インデックス投信・VIG・VOO・VTIの積立を再開すれば良いのです。
インデックスの投資信託であれば
・e-Maxis Slim全世界株式
・e-Maxis Slim全米株式
あたりがターゲットです。
VIGは10年以上の財務基盤が安定した連続増配株が対象なので、大幅な上昇益は期待できないですが配当を伸ばせる企業が対象なので安定感は高いです。
VOOやVTIはいうまでもなく「困った時のインデックスETF」の代表格です。
貯蓄よりも株式投資の方が資産拡大の可能性が高いという点で、下落耐性もありオススメはVIGですが、リスクを取れるのであればQQQでも良いと思いますし、アクティブ投信でも良いと思います。また、マーケットの見通しが不安なときは「現金にシフトして守りを固める」選択でも良いと思います。
もちろんこのやり方はアクティブに機動的に資産配分を調整することになるので、誰にでも勧められるものではありません。あくまでチャレンジしたい方に向けたものになります。
山崎さんも記事内でインデックス運用の優位性を丁寧に説明しています。「その上で」チャレンジする方はどうぞというスタンスです。私も同感です。投資に時間がかけられる方はぜひ検討してみて良いと思いますが、インデックス運用の土台は必ず作ることをオススメします。