資産運用における最大のポイントは「老後への備え」です。
働く期間が長くなったとはいえ、一般に60歳以降は収入が下がっていくためある程度のストックが欲しいと思う方が多いと思います。
また、公的年金制度が将来どうなるか分からない。個人的に制度自体は維持されると思いますので「年金が支給されない」ということにはならないと思いますが、満足のいく金額は支給されないと思っておいた方が良いと思いますが、少なくとも年金を当てにしてはいけないということです。
なので資産運用を行う上でまず最初にケアしないといけないのは収入が落ち込む時期への備え、つまり老後への備えということになります。
老後に得られる「確定した」収入の目安が分かれば安心が得られます。
また、この安心を早めに得るというのは「将来向けの過剰な貯金」を減らすことにも繋がります。
つまり
・効率よく資産拡大を図ることができる
・若くて動けるうちにお金を使うことに罪悪感がなくなる
という利点があるということです。
2つ目をもう少し解説すると、将来への不安が先行するとお金をせっせと貯めようとします。場合によっては自己投資やストレス発散に繋がるようなお金の使用でさえセーブして我慢しようとします。コツコツ貯めることは悪いことではないのですが、老後「あの時もっとこうしておけば」という後悔が出てしまっては本末転倒です。
後悔しないようにするには将来への備えは貯金ではなく、資産運用で実現するべきと考えます。
これは
・時間を味方につけて
・複利の力を味方につけて
・資産を拡大する
方法が資産運用であり、投資だからです。
投資による老後の備えをするのであれば
・企業DC(確定拠出年金)
は必須です。
・節税効果
・投資による資産拡大効果
の両方を得ることができます。
デメリットは
・資金拘束性の強さ(60歳まで引き出せない)
・手数料がかかること
・投資対象商品が全て良いものとは限らない
点です。拘束性は味方につけるべきだと思います。手数料に関しては人によっては最も辛いデメリットとなります(後ほど解説します)
重要なのは「何を買うか」です。
・アクティブ運用
の二種類を扱っています。
https://search.sbisec.co.jp/v2/popwin/info/fund/ideco_list_190517_s.pdf
見ると結構な数の
・アクティブ運用の投資信託
・バランスファンド
が混じっています。
これらは特徴を持った商品ですが、ランニングコストにあたる信託報酬が高い商品です。iDeCoは10年以上のスパンで取り組む投資なのでコストはなるべくかからないようにしたいので「できれば回避したい」商品です。
iDeCoをやるのであれば
・株式を購入する(100%株式で良い)
・全世界もしくは全米をターゲットとした投資信託
を購入した方が良いです。
株式に投資した方が良いのは株式が最も上昇幅が大きい投資商品だからです。
時間をかけるほどに上昇する可能性が高まるというのも期間をかけて投資するiDeCoと相性が良いです。
信託報酬の観点から、信託報酬が小さい全世界あるいは全米に連動した指数に投資するのが賢明です。株式投資はターゲットが狭まるほどリスクが高くなるので安全に資産運用するのであれば投資範囲を広く取った方が良いです。
一方で債券、金など他の商品が混ざるとコストがかかってしまう上にパフォーマンスを下げてしまうためポートフォリオバランスの調整はiDeCo以外で行った方が効率的です。
企業DCに関してコメントすると企業DCは自分でもお金を出せるマッチング拠出以外は投資資金を企業が負担してくれるので「負担した資金はなるべく全額活用した方が良い」です。
<iDeCoをやるべき人と、慎重に検討した方が良い人>
iDeCoは税金面でのメリットが大きいです。サラリーマンが納税した金額を取り返す機会はそれほどないので数少ないチャンスはぜひ生かすべきだと思います。
このためiDeCoは基本的にやるべき(※企業DCをやっている方は加入して良いか会社に必ず確認してください)です。最低投資金額の5000円だけでもぜひやるべきです。
・サラリーマン
・自営業者
・将来に不安を持っている人
はiDeCoを是非やりましょう。全世界株式もしくは全米株式に投資して、リタイヤ前に配分調整(定期預金もしくは債券に預け替える)をやれば安心が得られます。
一方で専業主婦の方は少し慎重に検討した方が良いです。理由は納税する所得税額が少ないため節税効果が少ない点です。iDeCoは前述の通り加入料と毎月の手数料がかかるため手数料を払ってでも資金拘束性が強いiDeCoをやるかどうかは
・将来への不安が強いかどうか
・家族全体の資産状況、投資にかけられる資金
を踏まえて検討した方が良いです。
単純に積立しながら将来への備えをするということであれば自由度が高い「つみたてNISA」を選択するという手段もあります。