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バフェット式投資はやっぱり難しいと思った理由について

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jp.reuters.com

 

このニュースを見て「バフェット式投資を個人投資家が実践するのは難しいなあ」と思いました。

 

バフェット式投資は

・企業の内在価値が株価を上回っている銘柄を狙う

・長期的に見て優良と思われる企業に対して投資する

・投資するタイミングは経済状況が悪化している時などその企業の株価が本来持っている内在価値よりも下回っている時

・内在価値を株価が上回るまでは売らない、税金メリットを得るため基本的には売却しない

・ここぞという時に集中的に資金を注ぎ込む。少数銘柄への集中投資が基本

というものです。

 

今回バフェットがバンク・オブ・アメリカ(BAC)を購入したのはバフェット式投資の本質を踏まえるとそれ自体は非常にバフェットらしいと言えます。

 

しかし、銀行の今後を見据えると個人投資家がこのタイミングでBACを購入するのは非常に難しいと感じます。理由は

アメリカの政策金利は少なくともコロナによる経済影響が払拭されるまではほぼゼロであることが明言されている(正確には金利据え置きと説明)

・ゼロ金利期間での利息収入の減少は銀行にとってダメージ

・コロナによる経済的影響が長引くほど貸倒引当金の計上が必要。これは銀行にとって収益上大きなダメージ

・経済状況が改善し、さらに金利が引き上げられる状態になってようやく回復する銘柄

だからです。

 

バリュー投資の本質から言えば今追いかけるべきは伸び盛りのNASDAQ上場企業、ハイテク・SaaS銘柄・バイオ銘柄ではなくバフェットが好むような銀行株・生活必需品を扱う企業だと思います。

 

ただ問題は「どこかの局面で上昇しないと利益が得られない」という点です。

 

バフェットの最大の特徴は「いくらでも待つことができること」です。

 

できる限り良い状況になるまで待って待ってひたすら待ってそれでも良い投資先がない場合は手を出さないという選択ができるのが特徴であり強みです。

 

 

www.enjoy-investment.net

 

コロナショックの後のバークシャー・ハザウェイ社の年次株主総会でバフェットは「今は投資する先がない」とコメントしています。

 

そこからそれほど時間が経たずにBAC社の株を買い増ししています。

 

一方でゴールドマン・サックスは大半を売却しています。

www.nikkei.com

 

現状商業銀行は先に述べた理由から逆風真っ只中、ゴールドマンサックスのような投資銀行は株式などのマーケットが活況であることなどからまだ幾らかまともな状態です。

 

これも逆張り型のバフェットとしては妥当な判断ですが、いつ再上昇できるか分からないものを上昇の兆しが見えないタイミングで買うというのは個人投資家には真似ができないなと改めて感じます。

 

さらにバフェットは不動のイメージがありますが、今回のように機を見るに敏なところがあります。臨機応変に対応できないとバフェットのように振る舞うのは難しかったりします。

 

バークシャー・ハザウェイの投資がバフェットの哲学に沿って遂行できるのは

・巨額の現金を保持している

・常に潤沢な投資資金を確保することができる

リーマンショックを始め、現在では考えられないほど株式が安い時期にに大量に買い付けた事により安全域の確保ができている

ことが大きいと考えます。つまり持てるものによる王道の投資をしているのです。

 

個人的に一番大きいのはフロートと呼ばれる「保険料」を使って投資ができる点だと思います。個人投資家でいうと毎月100万円を超えるキャッシュフローが得られる状態がずっと続くのであればもっとリスクをとった投資ができるし、投資をしなくても潤沢にキャッシュを手にしているので良い銘柄がなくても焦る必要は全くないのです。

 

バフェットの投資哲学は非常に勉強になります。

・良い銘柄を買う

・買った銘柄は状況が悪くならない限り、ずっと保持して良い

・安全域を確保し、株価が安い時に買う

・よく分かるものだけ購入する

バフェットに限らずバリュー投資の哲学はバリュー投資以外の投資法においても大事なポイントがいくつも含まれています。

 

でも個人投資家がバフェットの真似をするのは難しい。そう思います。

得ることができる情報量からして企業が本来持っている内在的価値を正確に見極め、株価と比較するのは困難です。

 

さらに個人投資家は待つことができません。1年・2年スパンなら待てるかもしれませんがバフェットのいう「買い時の良い企業が出てくるまで何年でも待つ」を実践するのはタイムリミットがある個人投資家にとっては相当過酷なことです。

 

「機会損失」という言葉に惑わされず、良い条件の時に狙いをつけることのメリットは大きいです。今年で言うと1月、2月に買うよりもコロナショックが起きた後に購入した方が多くの収益を得られたはずです。

 

バリュー投資の考え方をしっかり学んでいれば3月以降に株式を購入するのは怖いけれど利はあると捉えることができます。ただ現状本来の価値よりも株価が落ちている銘柄を拾ってそれが熟すまで待ち続けるというのは簡単なことではありません。

 

イムリミットがあり、手元の資金が限られている個人投資家にとってバフェット式の投資は簡単に真似のできるものではないということを今回改めて感じました。

 

バフェットの哲学をしっかり勉強し、再び向かい風の状況が来た時に慌てないようにするために準備しつつもタイムリミットがある以上、

「常に収益を確保できる手段を採用し続けること」

「絶対の投資方法はなく、その時の振り子の位置を見極めて考えられる最善の選択ができるようにすること」

「常に勉強し続けること」

を心に刻んでバフェット以外の投資方法も模索するべきだと私は思います。