5月以降
・第二波
と
・二番底
という言葉を耳にするようになってきました。
第二波はコロナ感染者数の波です。コロナ問題が起きた2,3月以降感染者数は爆発的に増加していましたが、ロックダウンや外出自粛などの抑制策によって感染者数は頭打ちになり減少傾向になってきました。ここまでが1サイクルです。
感染者数が収まると今度は経済への影響の方が大きくなってきます。
(感染学、政治的な観点はここでは語りません)
経済への影響が大きくなると今度は人々の不満の方向が「制限がかかっていること自体」に移っていきます。
このため今度は自粛→開放へと舵を切ることになりますが、こうなると人々の交流や接触が盛んになるため再び感染者数が増える恐れがあります。またウイルスが変異する可能性もありこれらが重なると再びコロナウイルスの影響が出てきます。これが第二波と言われる部分です。
一方で今度は株価の話です。
株価は3月末を境に上昇しており、一部銘柄は最高値を更新あるいは最高値を伺うところまで戻っています。伸び悩んでいる銘柄もありますが、上述の通りコロナウイルス対策の方向性が切り替わるとこれまで抑えられていた部分が解放されて需要が伸びる可能性が高くなります。
こうなるとよりネガティブな話が出てくるまでの間は株式のところがだいぶ賑やかになってきます。以前の状態に戻るというわけです。
つまり再びサイクルは反転したことになります。
2月は楽観が加熱し最高値
3月は一気に暴落し、悲観一色
4月は二番底の不安が付きまとう中で上昇
5月は安心感も出始めて楽観ムード
という状況です。教科書的なサイクルよりもだいぶ短期間でガチャガチャと動いていて付いていくのが大変な状況です。ついて行かない方針の方は相当にヤキモキしている状況でもあります。
・コロナに関連する銘柄を中心に分かりやすい状況(勝ち組優位)
・バリュー銘柄がほとんどない状況(先が見えない&コロナショックのマイナスを短期間で取り戻してしまった)
です。
こうなっているのはFRBを中心に中央銀行のコントロール施策が上手くハマっているからと言えます。金利を一気に引き下げて金融緩和を行い買い支えもしている。この支えが継続する限りにおいては二番底という言葉が出なくなるのも時間の問題だと思います。
4月は二番底を警戒する声が圧倒的でした。上昇は一時的だから気をつけた方が良いといった「下がるきっかけ探し」の方が優勢でしたが、たった1ヶ月で状況は変わっています。さらに4月ごろの株価を基準に「割安な銘柄があるからチャンス」という話も出ていましたが、これも今となっては・・・ですね。
さて目まぐるしい状況において投資家がなすべきことは何でしょうか。
ポイントは3つあります。
・状況を柔軟に受け入れる
・ベースは変えない
・株式以外の資産の動向にも気を配る
状況の変化は柔軟に受け入れるしかないと思います。例えば6月になったら米中の衝突や第二波の到来などバッドニュースによって再び振り子が反転する可能性も十分ありますし、最高値を更新するという熱狂が訪れるかもしれません。どちらにしても強引についていくというよりは「乗れる範囲で乗る」柔軟さが求められていると思います。
一方で資産作りのベースは変えないという頑固さも必要です。こういった目まぐるしい状況だと淡々と積み立てる投資の重要性が増してきます。振り回された結果元に戻るといった良くある話もありますが元に戻ったら結局は迷わず積み立てたものが光ってきます。
私は
・インデックスの積立(あくまで全世界に全天候型に)
と
・楽しむ投資として良いものに投資(いまだとワクチンやテレワーク銘柄への投資)
の2本立てで挑んでいるのですが前者のインデックス積立は同じペースを保つことでこれを支えに楽しむ投資に打ち込めるというメリットを得ています。
さらに株式にスポットが当たっている時は他の資産に注目です。株式が良い時はゴールドは下がります。ゴールドが横ばいであったり値下がりしている時は仕込み時期でもあるので、好調を取り戻しつつある株式は既に高くなってしまったという場合でもチャンスはあると見るべきです。
二番底は頭の片隅に置いておくか、再び下がる局面がくるまで情報を遮断してじっと耐えて凌ぐという方針で臨むべきなのかなと思います。2020年の投資は面白い状況ではああるのですが、目まぐるしく変化していてなかなか大変です。変化についていけず疲弊するぐらいであれば休むのも一手だと思います。コロナにしても投資にしても「先は長い」です。