以前に書いたこちらの記事でコロナショックがあったにも関わらずバリュー投資は厳しい状況に置かれている理由について解説しました。
そもそも米国株は
・全体的に株高傾向であり
・価格が安いものは価値が伴っていないものが多い
ということで良い企業を適切な価格で買うのが難しい状況であるとまとめました。
では米国株以外はどうなのでしょうか?
ここで気になってくるのが
・日本株
と
・新興国株
日本株はバブル期と比較されることもあり、長らく不遇の時代が続いていました。
日経平均の過去最高値は38,915円。現在もたどり着いていません。米国株はこの10年で最高値を何度も更新しています。
このイメージがずっとつきまとっているといって良いと思います。
アベノミクスや「貯蓄から投資へ」の流れによって2012年以降は上昇カーブを描いていますがまだ最高値には届いていません。
さて、2012年以降日本株において変化が生じています。1つは株価の上昇ですがもう1つは「株主還元傾向の高まり」です。
・アクティビストと呼ばれるモノ言う投資家の台頭
・施策により内部留保一辺倒から株主還元へ
といったところが影響しています。その一方で日本企業の利益は増加傾向ですし、内部留保額も上がっています。
つまり日本株全体の傾向としては
・株価は依然として抑えられている
・不安定な情勢の中で内部留保(抱えている現金)が増加している
・だけど株主への利益還元の傾向は高まっている
と言うことがわかります。
全てが全て割安でお買い得と言うことではないですが、
・キャッシュフローが増加傾向
・財務状況が良い
・配当性向が高くない
・コロナショックにより株価が下がっている
企業が見つかれば購入のチャンスと言えます。
日本株の場合、日経平均やTOPIXといった指数(インデックス)を買うよりも強固な企業の株を保有する方が良いと思います。
理由は
・日本全体としては先細りの傾向(人口減、労働力の減少)
・全ての企業が株主還元重視と言うわけではない(株価向上への意欲が低い企業もある)
・円は今後安全とは言えない(大幅な円安懸念→超長期の保持には適していない)
といった懸念事項があるからです。
インデックスは米国、先進国、あるいは世界全体を買う。
個別株を補強的に購入して収益の向上を図る。
といった資産配分で投資する場合、米国株も良いですし新興国株で将来性がピカピカなものを押さえておくのも良いですが、優れた日本企業も補強先としては検討の余地ありで面白いと思います。
バリュー投資をするには対象企業のことを詳しくリサーチする必要があります。ホームカントリーであれば深く調査するのに適しています。バフェット的投資は今の状況だとアメリカではなく、日本であれば最適先が見つかるかもしれません。
弱い弱いと呼ばれている日本株ですが、調査する価値はあると思います。