金(ゴールド)の上昇が続いています。
特にGDX(金鉱株ETF)は3月から4月にかけて大きく上昇しました。
株式市場の上昇と連動していますが、これは「金価格の上昇」の影響を受けていると見るべきだと思います。
というのも金鉱株を構成している企業の収益は「金価格ー金採掘コスト」によって上下するからです。金採掘コストはそれほど大きく動かないとされているため金価格の上昇によって利益が決まると理解しておけば金鉱株の収益状況は掴めます。
金価格が再び最高値を伺っている現状は金鉱株には追い風というわけです。
GDXはその象徴なので、短期的に収益を追い求めるには適したETFと言われています。(長期的に金投資のメリットを得たい場合はGLDなどの金指数に連動したETFの方が適しています)。
GDXに投資するでも良いのですが、今回は応用編としてより深掘りします。
それは「GDXを構成している金鉱株の個別銘柄を購入する」というものです。
これがGDXを構成している上位10銘柄です(2020.4時点)
GDXのパフォーマンスは構成銘柄のパフォーマンスに依存します。
ETFの良さは個々の銘柄のパフォーマンスに左右されない点ですが、一方で「パフォーマンスの悪い銘柄の影響も受けてしまう」デメリットと表裏一体の関係となります。
仮に金、特に金鉱株が今後も金の需要増により上昇を維持すると思ったのであれば、個別に構成している企業のうち「好調の企業に対して買い増し」をするという選択をしても良いことになります。
あくまで応用編であり、個別株投資の下落リスクを受け入れた場合に限りますが、投資パフォーマンスをさらに向上させたいのであれば検討に値します。
<金鉱株個別投資の手がかり>
金鉱株の個別投資をする際の手がかりについて説明します。
それは「金鉱株は4種類に分けられる」という点です。
・大手の金採掘企業
・中小の金採掘企業
・金を始めとした鉱山を保有している企業
・金採掘のサポートをすることでロイヤリティを得る企業
この4つに分けられます。
金採掘には莫大なコストと時間を要します。
コストがかかる理由は金鉱山を掘削し、そこから取り出した土から金を抽出する作業がありそれでもごく僅かな金しか獲得できないからです。
露天掘りで金が獲得できればまだ良いのですが、鉱山の奥深くまで掘り進めないといけない場合もありそういったところではコストがさらにかかります。
大手の企業は既に掘削する鉱山の目処がついているなど収益確保のルートがあり、既に機材や人員の準備もできているので有利です。中小の企業は大手が手を出していない鉱山を開拓するか、大手が嫌うところに手を出さないといけない分手間隙をかける必要があります。
その分、当たりを引けば大きな収益となるわけですが、難しい事業でありコストはどうしても高くなります。
先ほど「金価格ー採掘コスト」の話をした際に金採掘コストは一定であると書きました。
理論上は採掘コストが低くなれば収益は金価格の上昇と共にさらに拡大することになります。ではその採掘コストはどうすれば抑えられるでしょうか?
答えは「自分で採掘しなければ良い」です。
つまり
・採掘は他の企業に委託する
・採掘に必要な機材の調達などサポートを行う
・サポートを行う際に、ロイヤリティを得る契約を結ぶ
・委託した企業を動かせば動かすほど収益を得る仕組みを作る
といったことをすればコストは削減できます。
金が今後も上昇していくということは「金の需要が伸びる」ということです。
つまり金採掘のニーズが伸びるかどうかということですが、ニーズが伸びた場合、上記のようなロイヤリティを得る企業にとっては美味しい展開が待っています。
つまり金鉱株に個別投資をする場合、そういったロイヤリティを得ている企業を探してそこに投資をすると妙味があるということです。
個別株投資をするのであれば調査が大事ですが、調査の観点にロイヤリティというキーワードを入れると候補が浮かび上がってきます。そこを詳しく調査してみるのも一興です。
ただあくまでも「個別株」なので市況の影響を受けることになります。金価格と連動しない可能性もありますのでそこは注意が必要です。