以前から配当に関して考察していますが、配当投資に関しては
・減配
・配当停止
といったデメリットがあります。
減配は日本株を中心にしばしば発生しますが「配当停止」特に海外株式の配当停止というのが現実に起こるのかと思いました。
<銀行株で配当停止が起きている理由>
https://www.fsa.go.jp/policy/basel_ii/basel3.pdf
バーゼル3(銀行の自己資本、ストレステスト、市場流動性リスクに関する世界的な自主規制の枠組み)の合意内容に「資本流出抑制策(資本バッファー<最低比率を 上回る部分>の目標水準に達するまで配当・ 自社株買い・役員報酬等を抑制)など」というものがあります。
つまり、銀行における規制に引っかかる部分が出てきた、あるいは規制に引っかかる前に対応したということになります。配当を出すことでバーゼル3に引っかかってはいけないということです。
<配当停止のインパクト>
配当金(インカムゲイン)を不労所得として収入のベースにしている人にとっては大きな痛手です。入ってくるはずのお金が入ってこないというのは精神的ダメージが大きいと思います。
高配当株投資法は配当金を得られる企業の株をなるべく積み上げていくことが求められます。ポートフォリオを構成している企業が減配・配当停止になると収益に影響を及ぼします。
このため、高配当株投資法をやるのであればポートフォリオの構成銘柄数を増やす必要があります。高配当株投資をやられている方が多くの銘柄を揃えている傾向があるのはリスクヘッジが目的です。少なくとも10銘柄。リスク軽減するなら20銘柄前後は必要と言われています。
またセクター分散にも気を配らないといけません。例えば高配当だからと銀行株ばかり持ってしまうと今回のような金利低下・収益低下による配当停止措置の時に大ダメージを受けることになります。もちろんリスク覚悟で「意図的にセクターに偏りを持たせる、構成銘柄数を減らす」ことも選択肢にしても良いと思いますが、個人的にオススメはできません。
<配当金を活用する投資法で気をつけるべきポイントについて>
配当金収入を
・老後のインカムの一部
・生活を充実させるための手段
として考えているのであれば、個別株中心の投資はかなりリスクが高いです。
・再三言っている減配、配当停止への備え
・株価下落による含み損への備え
が必要です。
この辺が面倒であれば「高配当ETF」への投資が無難です。
高配当ETFであれば
・銘柄入れ替えを勝手にやってくれる
・減配、配当停止リスクの軽減(構成銘柄数が多いため)
といったメリットがあります。
配当金は収益におけるクッションの役割を果たしているので投資の軸とする考え方もあると思います。ただ特定の高配当企業に依存するのはやはり、今回の配当停止のニュースのような不測の事態に弱いなと改めて感じます。
しっかり投資先を分析するべきだと思いますし、やるのであれば何かしら配当が得られるETFを組み込んでおいた方が良いと思います。