コロナショックで何でも良いから現金に換えたいと思った方も少なく無いかもしれません。
資産作り投資(投資信託やETFの積立投資)は「手をつけないこと」を前提としています。手をつけず収益を含めて再投資を継続することで複利効果により資産を膨らませていくことで「投資元本+ベータ(市場成長率)←イメージ」を手にすることを狙っています。
当然ながら時間をかけて資産を育てていくことになるため、その過程で
・暴落、急落などの資産減少局面
・まとまった資金が必要となる局面
が訪れることがあると思います。
そうなると積み立てた資産に手をつけたくなると思います。
とは言え簡単に売却してしまうとなかなか資産が積み上がりません。
急落、暴落の時に慌てて売却するのも良くないと言われています。
資産作り投資において「売却」はどう考えたら良いでしょうか。
1.積立目標達成までの売却
2.積立目標達成後の売却(資産取り崩し)
の2つに分けて考えます。
1.積立目標達成までの売却について
目標達成まで資産を積み上げているプロセスでの売却は
「資産が必要になった時に、必要な分だけ売却する」
で良いと思います。明確にルールを設けるとしたらこれだけで良いと思います。
資産がプラスになろうが、マイナスになろうが必要になったのなら必要な分だけ切り崩す方針とすれば
・含み益を気にしなくて済む
・価格を気にしなくて済む
メリットがあります。また資産形成期は現金と金融資産の比率が気になるところですが金融資産に振り向けたとしても不安視する必要はないと思います。
ただ手元に資金がないと「不安」だという方は現金比率を高めておいて良いと思います。その場合も残した現金以上に必要となったら必要な分だけ売却することになります。
大事なのは「必要な分だけ」に止めておくことです。
また何度も売却することがないよう日頃から資金管理・家計管理をきちんとしておくことも重要です。過剰に売却=現金比率を上げると資産拡大スピードが落ちてしまいます。
また必要な時に必要な分だけ売却するということは、特に必要のない余った資金は金融資産に振り向けておいた方が良いということでもあります。
ではたまたま資金が必要となったタイミングが今回のコロナショックのような暴落局面となった場合はどうでしょうか。
これは「仕方がない」と割り切るしかないと思います。長いスパンで取り組む投資なので暴落・急落局面とバッティングすることもあれば上手い具合に急上昇した局面で売却することもあります。長い目で見てこれも平準化すると捉えるしかないと考えましょう。
繰り返しになりますが、だからこそ資産管理・家計管理が大事になってきます。突発的に発生するイベントによる資金の持ち出しは仕方がないですが、恒常的に家計が赤字だから売却する・浪費のために売却するというのは回避するべきです。
悩ましいのが「買い増しのための現金化」ですが、これは自分の資産のタコ足化に繋がるので慎重に考えた方が良いと思います。
2.積立目標達成後の売却(資産取り崩し)
では目標が達成し資産が積み上がった後の場合はどうでしょうか。
積立投資のデメリットに良く挙げられるのが「老後資産が必要になった時に暴落したら大きく損をする」という点です。
でもこの意見が変なのは「積立を全額取り崩すこと」を前提としている点です。
必ず全額崩さないといけないわけではないと思います。
例えば
・逆ドルコスト平均法で取り崩す:積立がドルコスト平均なら売却もドルコスト平均で
・4%ルールを適用する:FIRE(早期リタイヤ)の資金管理ルールである「年間に引き出す資金は投資資産の4%以内」
といった形で「小出しで取り崩す」ことにより投資元本が大きく削られることなく、景気や経済状況に振り回されることなく積み上げた資産を有効活用することができます。
2つのパターンを整理しました。
売却もルールを明確にすることで慌てなくて済むようになります。
投資は売ることが最も難しいと言われますが、資産作り投資に関しては価格に関係なく売却するルールの方が混乱が回避できると思います。