筆者の株式投資の積立の軸は「VT」です。
VTは全世界に分散してくれるので良いのですが、分散され過ぎているとも言えるので成長性は期待できません。長い時間を使って市場平均の+アルファの部分を確保するのに適した投資先です。
そこでポートフォリオの強化を図るための取り組みとして他のETFとの組み合わせを行うべくそれに適したETFを探していました。
<他と毛色が違う増配ETF>
VIG:バンガード・米国連続増配ETF
手数料0.06%とかなり安いです。さすがはバンガードです。
(特徴)
・連続10年増配している企業が対象
・エネルギーセクターが構成銘柄に入っていない
TOP10の銘柄です。見ると
・安定性の高い企業:P&G、J&J、マクドナルド、ウォルマート
・連続配当企業:アボットラボラトリーズ、コムキャスト、メドトロニック
といった配分でバランスが取れている印象が強いです。
連続増配なのにマイクロソフトが1位に来ているあたりただものじゃない感が漂っています。連続増配企業は成長性に乏しいというデメリットもありますが、利回りの低さやラインナップされている企業の「成長の余幅」を見ると「将来性が高いETF」だなと感じます。
消費サービス(生活必需品)
ヘルスケア
の割合多く、ディフェンシブであると言えます。
基準となる連続増配年数が10年というのがポイントなのかなと思います。10年連続増配するには相応に企業実績が伸びないと難しい一方で「紆余曲折があっても配当だけは死守」という成熟期〜衰退期にさしかかった企業が弾かれることになるので適度にディフェンシブであると言えます。
青:VOO(S&P500に連動)
赤:VIG
の比較です。トータルはVOOに軍配が上がりますが、下落時の下げ幅はわずかですがVIGが少ないです。
言い方を変えるとVOOと遜色ないパフォーマンスでありながらややディフェンシブなETFがVIGであると言えます。
<すごいのは名前だけではないETF>
QQQ:インベスコ・QQQトラストシリーズ1
NASDAQ100に連動したETFです。NASDAQの時価総額TOP100を対象としており、NASDAQの中でも時価総額が高い企業が含まれます。
GAFA+Mと呼ばれる米国TOPクラスの企業だけでかなりの割合です。
インテル・シスコといったIT系企業の中にペプシコが入っているのが面白いですが
ハイテク(情報技術)
コミュニケーションサービス
一般消費財
この3つが大半です。ヘルスケア・生活必需品は割合小さいことがわかります。
青:VOO
赤:QQQ
です。QQQは上昇幅も下落幅の小ささもS&P500より優位に立っています。
<攻守双方の備えが大事>
ということでS&P500へのインデックス投資よりもQQQに集中させておけば「この10年」のパフォーマンスでは圧倒していたと言えます。
ただこれはあくまで過去の話です。
今後もずっと優位に立つかは全くわかりません。
NASDAQのTOP100の企業、大半がハイテクとコミュニケーションサービス。つまりGAFAとMへの依存度が高いETFなのでどこかがつまづくと大きくパフォーマンスを落とす危険性があります。
そこでVIGが存在感を放ってきます。
マイクロソフトは被ってしまっていますが、生活必需品・ヘルスケアに軸足をおきかつ成長性と成熟度のバランスが取れた企業がラインナップされているETFを成長性の極めて高いETFと合わせることで「攻守両面のバランスが取れたポートフォリオ」が実現できるのではないかと考えています。
通常攻守のバランス調整は軸となるETFに個別株を組み合わせるのが良いと思います。ETFは構成銘柄数が多いので、言い方はあれですが「変なもの」が混じる恐れがあります。であればメインのETFに足りない要素は複数の個別株で補う方が効率的です。
ただ現状の相場だと個別株でフォローするのはリスキーです。長期的に見ても先が読めない不安要素がある分ETFの方が優位です。要素と強みの異なるETFを組み合わせて攻守最強の資産作りができるかも?というお話でした。
まあ、あれこれいじるよりは素直にVTIやVOOに投資すれば良いのでは?という意見もあると思います。結局全て含まれるので効率的ですし。
それでもなお、こういった模索をしているのは個人的に「設計した人の思いを感じるものが好きだから」というところがあります。VIGもQQQも基準となる指標がありそれに沿った運用をしている訳ですが、指標を採用する際に巡らせたであろう思いに共感しています。投資に感情を入れ込むのは本当は避けた方が良いのですが、人間心理に忠実でありたいのでこの辺はご容赦を。