著者のアンソニー・ロビンズ氏の肩書きは
・自己啓発作家
・講演家
・メンタルコーチ
です。つまり自身は投資家ではありません。
そんなロビンズ氏が記した投資に関する本ですが、この本で最も注目すべきポイントは
1.レイ・ダリオ氏率いるファンド:ブリッジウォーター・アソシエイツで行っている「全天候型ポートフォリオ」について解説している点
2.一般投資家でも実行できる全天候型ポートフォリオの内訳が紹介されている点
です。
特に2.は注目です。何故ならレイダリオは投資に関する著書は出版しておらず、また彼が率いるファンドは新規に募集しておらず一般投資家が恩恵に預かることができないからです。
著作の中でアンソニー・ロビンズ氏はポートフォリオの秘密を聞き出そうと言葉巧みに探りを入れます。そのやり取りを読むのもこの本の面白みだと思います。
全天候型ポートフォリオ自体はネット検索すると出てきます。
・米国株式に30%
・米国中期債券に15%
・米国長期債券に40%
・金に7.5%
・コモディティに7.5%
何故この商品に投資した方が良いのか、その理由はぜひ書籍をご覧ください。
他にもアンソニー・ロビンズ氏が自身の投資経験から得た最良の資産運用方法が書いているのですが、その中にある「夢バケツ」という表現(訳語)は独特で印象に残る言葉です。
夢バケツとは要するに「贅沢をするための貯蓄」のことです。
「このお金を使ってパーっと飲みに行く」
「海外旅行に行く」
「欲しかったxxを買う」
など贅沢をしたい欲求に駆られるわけですが、世の大半の資産運用・投資本は「節約・倹約」がベースとなっています。
節約・倹約をして投資や貯金をするお金を捻出するのが基本ですが、人間なので「羽目を外したい欲求」がどうしても邪魔をします。
この欲求を意思で押さえ込むのではなく、あえて開放することを推奨しています。
夢バケツというのは開放するためのお金を別枠で貯めましょうということです。
「夢バケツに貯めたお金」は罪悪感を持たずに使ってしまおうということです。
著書の中ではせっかく貯めたお金でバカンスに出かけたのにつましやかに過ごしていた老夫婦のエピソードが書かれていますが、それを微笑ましいとしつつ、夢バケツのお金はしっかりと使う。
罪悪感を持たずにしっかり使って欲求を発散した上でそれをモチベーションに資産運用・投資を行なって資産拡大を図るという発想は非常に人間心理に適っていて良い考えだと思います。
このブログのタイトルにある「楽しむ」も同じ考え方です。楽しむ要素を含めることで長く続ける。ストレスなく長く続けることが最終的に大きなリターンとなって返って来るのではないかと思いますが、この本の夢バケツがヒントになっています。
レイダリオのインタビューだけでも購入価値はあると思いますが、ぜひ著者のアンソニー・ロビンズ氏の豊かなパーソナリティにもこの本を通じて触れてみてください。オススメです。