1/7に私のTwitterで書いたスレッドがそれなりに反応を得たのでブログにまとめます。
ポイントは「投資は取捨選択がカギであるということ」です。
ポイントを踏まえると構え方として、コア・サテライトで投資を考えるべきという結論になります。これを掘り下げます。
<投資情報は百花繚乱である>
スタートラインは投資にまつわる情報はあまりにあふれ過ぎているというところから始めます。
・米国株
・米国株の個別銘柄
・中国株
・金、銀
・新興国
・仮想通貨
・インフレ
・バリュー、ハイパーグロース
・EV、クリーンエナジー
など話題に挙がっているテーマを拾うだけでも沢山あります。
そしてこれらのテーマの全てを拾うことは不可能ということです。
余程資金があるなら話は別ですが・・・。
<インデックスという解決策>
実は1つだけあらゆるテーマをフォローする方法があります。
それは「インデックスを買う」ことです。
インデックスを買う。例えばVTを購入すれば全世界8000銘柄に投資できるので、アメリカだ中国だと悩まずに済みます。
でも、これだけでOKなのか?というと個人的には疑問です。
インデックス投資をする=β(ベータ)、つまり市場の成長率を取り込むことができます。
世界の市場が例えば3%伸びていくのであればVTに投資していれば3%をの成長率を確保することができるということです。
確実に3%を得られることは大事ですが、でもそれだけしか得られないという見方もできます。インデックスonlyという選択をする場合、α(アルファ)つまり、自力で得ることができる(あるいは失う)収益を無視することになると考えます。
なのでアルファを獲得するためにインデックス+○○という構え方をした上で、○○に入れるものを取捨選択して決めるのが良いのでは?と思います。
<コア・サテライトとキャッシュコントロール>
コア・サテライトという考え方があります。
これは簡単に変えてはいけない軸:コアと変更を受け入れる調整枠:サテライトという分け方をして投資先を決めるというものです。
コアはインデックス
サテライトは例えば個別株、テーマETF、金・・・といった具合に
・その時のトレンドであったり好調なもの
・収益増を狙いたいもの
・コアに足りていないもの(例えば米国株インデックスをコアにしていたら、米国以外の株式など)
を補強するイメージです。
サテライトに投資するものを自分で考えていくことが大事だと思います。
そしてコア・サテライトで構えるもう1つのメリットは「リスクコントロール」「キャッシュコントロール」がしやすいことです。
リスクコントロールとはポートフォリオにおける変動要素の多い資産の配分。
です。
つまり、自身のポートフォリオがリスキーである、不安であると思ったら
・ポートフォリオのリスク配分を調整する
・β(変動幅)の小さい商品に移行する
・現金を増やす
という調整をかければ良いわけです。
先ほどのコア・サテライトの考え方に当てはめると
・ポートフォリオの現状が不安だと思った場合は、サテライトの配分を減らしてコアに移行する
・あるいはサテライトの配分を減らして現金化する
ということです。期待できると思った場合は上記とは反対にサテライトの配分を増やします。あるいは比率をそのまま維持します。
<コア・サテライトをコントロールする発想の背景>
コア・サテライトを柔軟に調整すればいいんじゃない?と思うきっかけとなったのは
・じっちゃま(広瀬孝雄さん)
・江守哲さん
・山崎元さん
の考え方がベースになっています。
もっと根底のところで言うとずっと長く投資し続ける、良いものをずっと持っておくというバフェットやマンガーの考え方があります。
じっちゃまは常々、「不安だったら現金比率をあげれば良い」「不安だったらインデックスや高配当ETFに移せば良い」と仰っています。
不安なのはバットのスイングが大振りすぎるからで、ヒット狙いに切り替えれば良いと例えています。
江守哲さんは株式:現金:金の比率を4:3:3(もしくは5:2:3)と仰っています。
金の比率については別として真ん中の現金は単に持っておくのではなく「株式か金で調整や暴落があった時の備え」としています。
つまり大きく値下がりしたら現金を株式や金に振り分けようという発想です。
山崎元さんはインデックス投資の優位性を主張している一方で株式投資の楽しみも理解されており、株式投資を含めた新たな投資方法について模索されています。
その中で編み出した発想として
・毎月インデックス積立投資を行う
・一定額資金が貯まったら売却して個別株を買う。積立投資は継続する
・個別株を購入するのに適さない局面、あるいはインデックスでも問題ないと感じた場合は個別株は買わずインデックス積立投資を継続する
というリレー投資法を提唱しています。
これらは様々な形で機動的に調整する要素を持ちながら、「コア部分の投資は継続する」という点で根底は一致しています。さらに一般投資家でも無理なく取り組めるという点で共通していますし、毎月の投資金額が限られている一方で定期的に収入が得られるサラリーマン投資家が取り組めるという共通項があります。
なので自分に適しているし、人に勧められるものだと思っています。
<デメリットは?>
コア・サテライトのデメリットは
・vs集中投資には収益の上昇幅で勝てない(最終的な結果はわからない)
・vsインデックス運用onlyには売買手数料などコスト面で勝てない
これらを受け入れないといけない点です。
要は面倒な部分が含まれるということです。
ではそこまでしてまで何故やるの?と問われるとそれはアルファを手に入れるためであり、投資を長く継続したいからという答えになります。
アルファの話は先ほど述べました。
もう一つの「投資の継続」というのは
1.人は興味や好奇心によって動かされる部分がある以上モチベーションを持って取り組まないと長続きしない
2.投資パフォーマンスが安定しないと不安が募り止めたくなってしまう
という2つの心理を尊重した投資をする必要があると思ったからです。
モチベーションというのは自分が興味を持ったジャンルに投資をしたり、楽しみな要素を含んだ投資をすることで満たされる部分でもあります。なのでリスクを取ることを選択します。インデックスを積み立てるだけだと飽きてしまう点を回避するということです。
パフォーマンスを安定させるには過度に集中させた極端な投資を避けるということです。
<コア・サテライト投資の例(自分の場合)>
ではコア・サテライト投資は具体的にどう構築すれば良いか、私のケースを例に紹介します。
私は
コア:VTIとVXUS
という分け方にしています。
個別株は
こちらでも紹介した
・決算を軸とした投資(グロース銘柄への投資)
・王道銘柄への投資(ベタな銘柄への長期積立投資)
です。対象先はアメリカと中国です。
金やコモディティETFはインフレ対策、ビットコインは通貨価値崩壊対策として細々積み立てています。株式全体が不調に陥った時の備えも兼ねています。
コア部分は全世界に投資するという点ではVT一択ですが、配分をある程度自分でコントロールしたかったのでVTIとVXUSに分けています。ここは状況に応じて配分調整すればいいやと考えています。
個別株は今は10銘柄保有していますが、良い状況が続いて増やせるなら増やしていく、いまいちならパフォーマンスが悪い銘柄を落として保有数を減らすといった調整をする方針です。
投資先の大半は売買を前提としておらず、ほとんどが単に買っていくだけのものにしています。これは先々の予測やその時の価格にあまり振り回されないようにするためです。
こういったコンセプトで構え方(ポートフォリオ)を作っています。
トレンドやサイクルは追いかけない前提ですが、時には気になったりすることもあると思っています。その時は資金の一部を「夜遊び枠」として短期投資をすれば良いかなと。ガチガチに頑なになりすぎず、ベースの秩序・規律は維持するといういいところ取りの発想で取り組んでいます。
この方針が1年長い期間継続できそうか。パフォーマンス検証を今年の自分のテーマにしていきます。