私は個別株投資を1年半ほど続けています。
基本的には米国株を中心にトレーディング的な取引、長期投資、バリュー投資、グロース投資など様々な投資方法を試行しています。
(様々な投資方法を試行するメリットはこちらをご覧ください)
私が個別株投資をしている理由は後述します。
そんな個別株投資を行なっている、投資診断士の資格を持つ私が投資をこれから始める方から投資について相談を受けた場合、ほぼ全ての方に「インデックス投資」しかオススメしないようにしています。
例外は
・投資経験者が相談相手であった場合
・本人から個別株投資について相談があった場合
です。
若い方で長期間投資する場合、インデックス投資に慣れてきた次のステップとして個別株投資をしても良いとお伝えするかもしれませんが、最初から個別株投資を推奨することはしないようにしています。
(インデックスしか薦めない理由)
基本的にインデックス投資は「長期的に見た場合」勝つ確率の高い投資方法です。
インデックス連動の商品に一定の間隔で積み立て続けた場合、積み立てたインデックスのパフォーマンスに連動した成果を得る事ができます。
言葉を変えると「ベータ(β)」の分だけ資産拡大を図る事ができます。
平均するとおよそ年率3~5%程度の成長が期待できます。少ないように見えますが、コロナショックのような暴落局面を経てもトータルすると年率3~5%、しかも複利で積み上がっていくので年数をかけると効果は増していきます。
こういったインデックス投資の特徴が推奨する理由でもあります。
つまり、資金を投入するだけで勝手に資産が増えていく仕組みであり
・購入対象を選ぶ労力
・投資成果を確認する労力
がほとんどかからず
・価格の上下にヤキモキしなくて良い
・投資にかける時間が少なく済むので自分のやりたいことに時間を割く事ができる
(自己投資に時間をかけられるので、キャッシュフロー増大の機会増にもなります)
というメリットを享受できます。
なので、投資をするならインデックス投資一択ということです。一定期間時間をかける事が前提になりますが、10年スパンで投資をするのであれば
1.全世界に投資するインデックス
2.S&P500に投資するインデックス
3.株式、債券、ゴールドに投資するインデックスに60:10:30の割合で投資する
の3つの選択肢のどれかを選んでもらうだけでアドバイスとしては十分だと思います。
基本的には全世界に投資するインデックスでOK。先進国が引き続きリードすると思うのであればS&P500、株式以外にも投資して安心を得たいのであれば株式・債券・ゴールドのインデックスでポートフォリオを構築すればOK。
あとは毎月いくら投資するかを決めてそれを自動的に購入する設定をすれば完了です。
これで十分です。
(ではなぜ個別株投資をやっているの?)
冒頭の話に戻ります。
人にはインデックス投資で年3~5%を確保する投資を薦めて、自分は個別株でしこたま儲けようとしているのでは?と思った方もいるかもしれません。
インデックス投資以外に個別株投資もしているのは2つ理由があります。
1.インデックス積立投資だけでは飽きて色々気になってしまうから
2.目標到達までの時間を縮めたいから
この2つの理由です。1つ目は投資に興味を持って好きで取り組んでいるからこその性というべき理由です。
他に楽しみややりたい事があり、あくまで投資を補助的に取り組んでいる方は時間をかけてコツコツやるだけで後は手間がかからない方法で十分と思うはずです。でも楽しみとして取り組んでいる方は情報などが気になってきます。こうなるとあれこれ興味を持つようになり、インデックスだけでは物足らなくなってきます。
経済状況が理解できて、個々の企業の取り組みが見えてくるからです。
個人的にはこの感情は抗えないもの、ごく自然なものと考えています。時折修行僧のように耐えることを投資に求めている方もいますが、人間は好奇心を糧に成長していく生き物である以上好奇心に抗うのは健康に良くないと思います。
2つ目の理由は到達したい目標資産までにかかる時間を縮めたいからです。
インデックス投資は毎月の投資額によって時間をコントロールする事ができますが、それ以外に時間をコントロールする方法はありません。
個別株投資は目標達成までの期間を短くすることができます。
ただし、条件があります。それは
・継続的に勉強し続けること
・価格変動に一喜一憂しないこと
です。
バイ&ホームワークという言葉があります。
買ったらほったらかしではなく、ホームワーク。つまり銘柄の勉強です。
購入前・購入時・購入後も絶えず欠かさず銘柄の分析をする、買った後も取り組みや決算を確認する。分析して仮説を立てて、成果を評価する。そういった仕事に近い取り組みを無理なく楽しみながらできるかどうかがポイントになります。
こういった取り組みをする時間がない、あるいは面倒だと思う方は個別株投資は避けた方が賢明です。
さらに個別株は価格変動がつきものです。インデックスももちろん価格があり、気になると言えば気になるのですが変動幅は圧倒的に個別株の方が大きいです。
振れ幅がプラスにもマイナスにもでかいので、プラスの振れ幅を取りに行くことで目標達成までの時間を縮めることができるわけですが、マイナスの幅も大きいので、一喜一憂してしまうと持たないと思います。
理論的には株式は長期的に上昇する特徴があり、上昇幅は様々ある投資商品の中で一番大きいので保持し続けることで資産拡大が図れます。このことをしっかり理解した上で、取り組まないと火傷を負うことになります。
ここまで書いたハードルを乗り越えてでも個別株投資をやってみたいと思った方は一緒に頑張りましょう。
ちょっと無理かも・・・と思った方、素直にインデックス投資をやっていきましょう。