個人的に今一番情報を得ていて、連日勉強している広瀬隆雄さん(じっちゃま)の投資法ですが、ひょんなことから過去に楽天証券の投資情報サイト「トウシル」に掲載していた米国株デビュー講座を再読したのですが、現在じっちゃまがTwitterやYouTubeライブなどで何回も繰り返し述べていることがまとめられていました。
個別株投資の投資方法は様々なやり方があり、それが難易度を上げている要因だと思っているのですが、その対策になるのではないかと思いました。
ここからしばらくは「米国株デビュー講座を再読する」と題して全8章のデビュー講座をもう一度熟読して内容を整理してお伝えするという取り組みをしたいと思います。
<じっちゃまの投資法とは?>
本人が「決算原理主義」と過激なことを述べていますが
・毎期の決算をチェックする
・EPS、売上高、ガイダンスがコンセンサス予想を全て上回っている銘柄を保持する
・EPS、売上高、ガイダンスがコンセンサス予想を1つでも下回ったら手放す
というものです。
詳しくはこちらをご覧ください。
<なぜ良いと思ったか?>
個別株投資方法は大別すると
・バリュー投資
・グロース投資
があり、銘柄分析方法として
・ファンダメンタル分析(財務情報や経済動向の分析)
・テクニカル分析(チャートの分析)
があります。どういった投資方法であってもそれが自分に適しているかは実践してみないと分からないものだと思いますので、勉強して良いと思ったらとりあえず試してみるのが良いと思います。
私もあらゆる投資方法を実践しましたが、決算投資法が今のところ自分にあっているのかなと思っています(今のところですが)。
理由は
・分析に力を入れるタイミングが3ヶ月に1回の決算の時で良い
・決算結果を含めて株価の上下動を気にしなくて良い
・ダブルバガー、上手く行けばテンバガーを狙える銘柄に出会う確率を高める投資法である
といった点です。
難点はじっちゃまも認める通り政策金利以外の要因が絡む相場を読むことができないので、下落局面の負の影響をまともに受けるリスクがあります。決算を軸にすることでコロナショックのような暴落を回避できるかは不透明です。
金融危機・バブル崩壊は恐らくある程度察知できると思われますが、例えばコロナショックのような外的要因は全く対処できないと思います。ここで胆力が問われると思われます。
<本題:第1章を再読する>
本題です。
こちらを再読します。テーマは「米国株は何を買えば良い?」です。
・まず良い会社を探すこと
スタートとして投資対象先について触れています。
「良い株に投資するには、まず良い会社を探す必要があります」と書いています。
これは個人的にもすごく共感する要素です。個別株に投資するのであればチャートや数字だけでなく「良いと思える会社」に投資したいものです。
・良い会社とは?
「良い会社に育つ可能性を持つ企業とは、その会社の製品やサービスが、熱烈に、ないしは切実に必要とされているような企業」
と定義しています。これは非常に分かりやすいですし、これから投資デビューする人がどこに投資したら良いかを探す際、一番明快な回答になると思います。
講座では良い製品の例として
を挙げています。
ただ注意すべき点(結構重要だと思います)として
・好きという直感を大事にする(直感が働く企業が投資のきっかけになる)
魅力的な商品やサービスは、人気が出ます。つまり「売れる」ということです。それは良い業績につながります。
一方で
・良い会社に育つ「可能性を持っている」と、実際に良い会社に伸びるのでは、雲泥の差があるのです。良い会社になるためには、先で述べたような成功を、何度でも繰り返し実現できることが必要なのです。
と述べています。継続性・再現性が重要です。
繰り返しコンスタントに良い業績を出せる企業が良い企業ということです。
そして「他社に比べてひときわ輝く業績として、決算書類の上に動かぬ証拠を残していく」と述べています。これが決算を基準に投資することのベースとなっています。
さらにスタバやSONYを例に経営陣の取り組み・企業努力から「投資=投票行為」という話に移ります。
「ユーザーの立場からの「投票」と、投資家としての「投票」が全くチグハグ」にならないよう警告しています。これは私もやらかしがちですが自分が思う良い企業の判断と投資先として適切かどうかの判断を混同させてしまう点への警告です。
次に良い会社は基本的に買いであるものの、投資機会が一致しない問題(狙ったように購入できない)として「株価が変動するメカニズム」について解説しています。
これは
・買い株数>売り株数
・買い株数<売り株数
となるケースが多い(原則は買い株数=売り株数)ので価格が上下するという原理原則から来ているもので当たり前の話ですが、大事なことです。株価が何故上がり、何故下がるかは結局買いと売りの攻防によるものだからです。
そして株価は良い材料(悪い材料)に先に反応する先見性を持っているのでマーケットの動向と株価がズレてしまうと触れています。これは株式投資の面白い部分であり難しい部分でもあります。
「株価の先見性」という特徴は、良いニュースが出たときに売ろうとするアマノジャクをゾロゾロ量産してしまうという副作用をもたらします。これはかなり厄介な問題で、初心者がやる気を失ってしまう原因の一つだと言っても過言ではない」
これが恐らく最も厄介な部分です。良い会社の株式を持っていても良い材料が出た瞬間に「今の株価は良い材料が全て折り込まれて材料が出尽くした」と評価され、売られてしまい株価が下がるケースがあります。始めたばかりの人はこれに動揺してつられて手放してしまったりするわけです。
期待という不確実なものに投資する以上仕方がないのですが
「期待という気まぐれな現象こそが、株式投資を深みのあるものにしている」
という点は個別株投資の難しさを象徴しています。期待に振り回されたくないのであればETFや投資信託などを購入しインデックス運用する方が良いです。インデックス運用であれば期待に振り回されることはなくなります。
一方「期待は醍醐味である」とも述べています。醍醐味を知ってしまうと難しくても離れられない。こうなると個別株投資のとりこと言えます。
最後に
「株式投資に上達する」とは、つまりこの期待のあしらい方がうまくなるということに他なりません。そのためには今、投資家の期待はどのくらい高まっており、何を手掛かりにそのような期待が形成されているかを理解する必要がある
という言葉で締め括っています。
「期待のあしらい方」という一見曖昧なフレーズがどういった内容なのかが第2章以降で明らかになるということです。ここに個別株投資の成功率を高くするコツが示されています。
第1章は個別株投資の原理原則、原点について解説しているものと評して良いと思います。「良い企業を買う」これがスタートラインです。