・市場全体型ETF
・テーマ型ETF
の2種類に分類できます。
この2つの言葉は(多分)私オリジナルのものです。
市場全体型ETFはSPYやVTI、BND、VWOなど「ある一定範囲のマーケット全体に投資する」ETFです。VTは全世界というテーマ性を持ったETFですが、分類としては「世界全体のマーケットに投資するもの」と考えて市場全体型ETFだと思います。
特徴は
・当該国、当該地域全体の動向に左右される
・構成する個々の企業の影響度は良くも悪くも小さくなる
・市場の成長性にパフォーマンスが連動する
・良い企業の良いパフォーマンスと悪い企業の悪いパフォーマンスが合算される為、最終的なパフォーマンスはその市場の成長性に帰結する
というものです。
人によっては嫌だと思う要素かもしれませんが、例えばそのマーケットが年平均5%成長するものであれば投資期間のパフォーマンスはおよそ5%のプラスが期待できるということになります。5%は小さいと思う方もいるかもしれませんが、「コンスタントに叩き出せる」と考えたらこれはすごいことでもあります。
投資診断士として人にオススメをするのであれば市場全体型ETFを推奨します。まず市場全体型ETFを積み立てるところから投資を開始するように言うことにしています。これは個々の細かい事情や経済動向の影響を受けにくいからです。
短期的には激しく上下するかもしれませんが期間が経過すると平準化されます。なので慌てふためくことなく淡々と投資するのに適しています。投資にあれこれ期待したり、時間をかけたりすることを嫌うのであれば市場全体型ETFに投資して放置すれば良いわけです。
ただし、期待できる成果の範囲は限られる為、市場全体型ETFへの投資だけで完結させる場合、資産形成には時間がかかります。時間をかけたくない場合は入金力を高める必要があります。ざっくり言えばコツコツ型のETFです。
テーマ型ETFとはファンド側がある狙いをつけてETF構成内容を選定しているものを指します。例えばQQQやVIG、VYM、SPYD、IEFやTLTなどもそうですし、ハイイールド債のETFなど「ハイイールドな債券」を特定しているものもテーマ型ETFに該当します。
特徴は
・狙いをつけたテーマのパフォーマンスに左右される
・うまくいけば市場全体型ETFより高いパフォーマンスを叩き出せる、あるいは市場全体型ETFのマイナスの影響を押さえ込むことができるなどポートフォリオをより強固にする
・うまくいかないとパフォーマンスが悪くなる危険性がある
です。
例えるなら市場全体型ETFが質の高い食材だとしたらテーマ型ETFはソース、調味料の役割だと思います。食材そのものでも食べられますが、ソースや調味料があるとより美味しくいただけます。でも分量を間違えたり、食材との相性が良くないものを加えてしまうとぶち壊しになってしまいます。
市場全体型ETFとしてVTIやSPYを買っているのであれば、テーマ型ETFがQQQやVYMだとアメリカ市場に偏ってしまいます。アメリカに賭けるのであれば別ですが、通常バランスを取るのであれば新興国の配当株メインのETFを買ったり、全米の債券ETFを買うなどでフォローする方が効率的ですし、VTIやSPYではなくVIGとQQQで絞り込んでそこにVWOを追加してアメリカ+新興国にするなど「被らないようにする」方が良いです。
なお、テーマ型ETFはこれから投資を始める方にはオススメしません。
市場全体型ETFを購入し始めて、「あれ?思ったよりも数字が伸びないぞ?」と疑問に思った方は大抵色々なものに手を出し始めます。個別株を買ったり金を買ったり、その時良いとされるものに飛び付いたりします。でもそれがうまくいけば良いですが、これも上手くいかない。気がついたらマイナスになっていたなんてことも考えられます。
そんな時にテーマ型ETFの重要性を認識することになります。個別株よりも動きがマイルドですが、組み合わせがよければポートフォリオのパフォーマンスを少ないリスクで高められるので資産作りの補強役として有益であると理解できます。このタイミングでQQQやSPYDなどを検討しても遅くはないと思います。