度々紹介していますが、個別株投資における配当におけるスタンスはまとめると
・利回りの高い、配当をガンガン出す銘柄
よりも
・成長性を持ち高利益で株価が上昇してなおかつ配当を出す銘柄
に投資する方が良いと考えています。
まとめると「成長する配当株」であれば長期投資を通じて投資元本も増大し、かつそこから配当金が得られるので配当金を元本に組み込んで複利運用も機能するという両得な取り組みだと考えています。
これは配当性向が高過ぎたり、収益が頭打ちになっているにもかかわらず株主還元を優先したりと無理をしている企業が株価が横ばい、右肩下がりになってしまい長期に保有しても元本がマイナスのままという事態を回避することでもあります。
こういった銘柄は扱いが難しくなっています。コロナショックによる下落をまともに受けたにもかかわらずその後回復していません。
2019年に投資した場合、含み損を抱えたまま過ごすことになります。
高配当株投資の場合、着目するのは含み損よりも配当額とされていますが
配当が確実に出るとは限らない(だから高配当株投資の場合、複数の銘柄に分散する必要がある)ケースもあり難しい要素があります。
それでも高配当株投資には「心理的安心感」という側面があります。お金を入金しておくだけで一定の間隔でお金が入ってくるというのは感覚として嬉しいものです。
となると
・配当収入を定期的に得る
と
・元本の含み損を抱えないようにする
ことを両立させて真の安心を得たいと思うのが人間心理的に理に叶った投資戦略だと思います。
この投資戦略はどうしたら実現できるでしょうか。
ヒントは「VIG」にあると思います。
VIG:バンガード・米国増配株式ETF
このETFの構成銘柄にヒントが隠れています。
こちらで紹介していますが、VIGは株式ポートフォリオの守りの役割を果たすのに適しています。特徴は
・「10年以上」連続して増配している銘柄
・利回りは低い(2.0%以下)
・エネルギーセクターなど一部除外されている(スクリーニングがかかっている)
というものです。
つまり、高配当株銘柄ではなく配当を出す成長株銘柄の特徴を表現しているETFです。
最初に述べた成長性を持ち高利益で株価が上昇してなおかつ配当を出す銘柄を選ぶのであればVIGがどういった銘柄によって構成されているかを確認し、その特徴や傾向を押さえることで当たりの配当株を探すことができるかも?ということです。
では構成銘柄を見てみましょう。
・P&G
・VISA
・ジョンソン&ジョンソン
・アボット・ラボラトリーズ
・マクドナルド
・コストコ
・メドトロニック
この10銘柄でETFの4割弱を占めております。ETFにおけるキー銘柄ということです。
<配当株として定評がある銘柄>
・P&G
・ジョンソン&ジョンソン
・アボット・ラボラトリーズ
・マクドナルド
・メドトロニック
<配当株としては意外な印象の銘柄>
・VISA
・コストコ
という分け方になると思います。前者は高配当株投資をやっている方のブログなどでよく見かける銘柄です。後者はどちらかというと成長株投資を行なっている方がポートフォリオに組み込んでいる銘柄です。後者の銘柄が「成長する配当株」に関してより強いヒントになるかと思います。
配当株としては意外な4つの企業の
・配当増加ペース
・財務状況
・キャッシュフローの状況
・企業の取り組み、決算結果
・配当性向
を整理した上で似たような傾向の企業を探せば「成長する配当株」をメインとした配当株投資ができるのではないかと考えます。
配当株として定評がある銘柄に関しては「負け配当株のスクリーニング」になります。P&Gやジョンソン&ジョンソンなどは配当株としてポートフォリオに加えても負ける可能性は低いということが示されています。
じゃあVIGを買えばいいんじゃないの?という意見もあるかと思います。
これに関してはETFを買って調査の負担を軽くする一方で、組み込まれているパフォーマンスが低い銘柄のマイナス影響を受け入れるか、マイナス影響を極力排除するためにETFの構成銘柄を絞り込むかの二者択一になります。
成長する配当株に簡単に投資したいのであればVIGをひたすら買っていくで良いと思います。VIGのスクリーニング条件を踏まえると今後も成長する配当株は順次追加されていくものと予想されます。自分で調べる手間が省けるのでだいぶありがたいです。
よりポートフォリオの効率性を高めたいのであれば、構成銘柄をより厳選してマイクロソフトやVISAを買いつつ、VIGの入れ替え状況をチェックして新たに加わった銘柄があればその銘柄をチェックするのが良いと思います。
・利回りの高い、配当をガンガン出す銘柄
よりも
・成長性を持ち高利益で株価が上昇してなおかつ配当を出す銘柄
を個別株投資のベースにする。つまり定期的に入金して配当株を買い増し投資するのであれば今回紹介したようなVIG構成銘柄に着目した銘柄選びをした方が長期的に良い結果をもたらすと考えております。
参考になれば幸いです。