こちらの記事でNASDAQが好調である点について触れました。
QQQ(インベスコQQQトラストシリーズ)の価格動向です。
NASDAQと同様にコロナショック前の状態に戻り、再度最高値を伺うところまで来ています。
QQQは
こちらで触れましたが、かなり「ハイテク銘柄」に偏っている攻めのETFです。
「ハイテク」というとどことなく危なっかしい印象を持つ方も多いと思います。「ハイテクは暴落する」「ハイテクはボラティリティが激しい」などです。
2019年最も伸びたセクターは「テクノロジー」でした。10年続いた米国株の好調が危ういとされながらも2019年〜2020年始めにかけて結局右肩上がりが続いた要因は
・GAFA+Mと呼ばれる銘柄が牽引役となったこと
・米中貿易戦争の影響が2019年後半以降トーンダウンし、テクノロジー関連企業に追い風になったこと
が挙げられます。とにかくテクノロジーに投資すれば良いと言わんばかりにテクノロジーのレバレッジETFへの投資を行っている方も多く見られました。
テクノロジー関連が好調→好調に乗りたい投資家が資金を投入する→人気がさらに高まり株価がより上昇する
という流れが続いています。ハイテクの暴落を懸念している方は上記の逆の流れが加速するのでは見ていると思います。
<何故ハイテクは危ういと見られるのか?>
いくつか想定される理由を挙げてみます。全て個人的な憶測です。
・新しいテクノロジーなど、ミーハー的好奇心を掻き立てる要素が強いから
・競争がとても激しいから
2000年に起きたITバブル崩壊、ドットコムバブル崩壊は「ハイテクに安易に乗るとしっぺ返しを食らう」という印象を持った方も多いと思います。パッと出てきたIT系企業や「.com」がついたものが上昇するといった話が出ていたなどバブル的に浮かれていた部分が今なお印象に残っているのかもしれません。
ただ既に20年経過していますし、その間にITを取り巻く環境と一般への浸透のところは大きく変わっています。過去の経験に学ぶことは大事ですが印象に残っている説が事実だとしたらそれはそれで過去に囚われすぎとも言えます。
IJRという米国小型株に投資するETFがありますが、このETFにおけるテクノロジーセクターへの配分は14.88%です。やや多いですが、TOPではないです。
・新しいテクノロジーなど、ミーハー的好奇心を掻き立てる要素が強いから
・競争がとても激しいから
この2つが大きいのではと思います。日進月歩で進化するテクノロジーは新しいものほど便利で人々の役に立つものであり、刺さりやすいです。スマホが短期間に一気に浸透したことが最もわかりやすい例だと思います。
キャッシュレス決済も当初はニュースなどで話題になりましたが、半年ほどでだいぶ浸透してきた(世代差はあると思いますが)のではないでしょうか。
目新しく、注目されやすく一見すると分かりやすく飛びつきやすいもの。でも進化スピードが異常に速いため、あっという間に新しいものに置き換えられます。
さらに競争がとても激しいため、年単位で入れ替えが起きる可能性があります。強固な濠があっという間に埋められてしまう可能性がある点が危うさを生んでいると考える方もいるのかなと思います。
<2020年代のハイテクは生活必需品へ?>
ここが今回最も重要な点です。
ハイテク・テクノロジーは2000年以降、急速に生活の中に浸透してきました。2000年代前半でできなかったことが2010年代では当たり前にできています。切符を買う人や高速道路の料金所で現金を払う人がほとんどいなくなったようにこの20年間の生活様式を変えるほどにハイテク・テクノロジーは浸透しています。
さらにPC、タブレット、スマホの利用普及率も劇的に変わりました。持っていないことが反対にネタになるまでに今はなっています。
生活必需品セクターがディフェンシブと呼ばれるのは、毎日の生活に欠かせないものを扱っておりいかなる経済状況であっても需要・消費が落ち込まないところからきています。
2020年の今はテクノロジーも生活の一部に組み込まれています。IT、ハイテク、テクノロジーに関連するものを除外したら恐らく生活の大半は成り立たないところまで来ています。IoTの浸透により日用品の中にもITが組み込まれるようになりましたが、これは「テクノロジーセクターのディフェンシブ銘柄化」と言っても過言ではないと思います。
コロナショックでは生活必需品同様にテクノロジーセクターも下落幅が小さく、回復も早かったです。QQQ・NASDAQの価格推移が物語っています。
ただし、テクノロジー・ハイテク全般がディフェンシブ銘柄に化けたかというとそれは疑問です。Apple・Microsoft・Googleといった日常レベルに浸透している企業が該当すると見た方が良いでしょう。ということはハイテク・テクノロジーセクターは
・従来イメージ通りの高いボラティティが発生する可能性がある
企業と
・日常レベルにまで浸透し、第2の生活必需品セクター化している
企業とに分かれて来ていると見た方が良いと思います。