昨日の記事の続きです。
コロナショックによって下落した分の巻き返しであったり、この先不安定な状況の中でも少しはキャッシュを得たいと考える人はコロナ関連銘柄に着目することになりますが、それは「さっと買ってさっと引く」方が良いとも書きました。
今回はその続きです。コロナ関連銘柄の値上がり益を期待するのは短期的投資です。長期的スパンでコロナによる特需・収益の向上が続くとは考えにくいです(例外がありますが、それは後述します)。
このため、例えば
・ワクチン開発をリードしてる企業の株を買う
・内需が高まっているから食品メーカーの株を買う
・Zoom使っている人が増えたからZoomの株を買う
と
・コロナショックを機にリモートワークが増えるからネットワーク回線の利用やセキュリティの重要性が今後も高まるはず
・アフターコロナは非接触型の営業が増えるはず、だからリモートで営業支援を行っているソフトウェアを開発している企業に投資しよう
・コロナショックで薬品メーカーが再評価されたから、そこに期待しよう
・コロナショックで鉄道株が割安になっているから今のうち仕込んでおこう
とでは狙いが違ってきます。
短期投資は「目先の需要・動向」を見た上で、思い描いたシナリオがすぐさま実現するかどうかが重要です。なのでシナリオが実現しなかったり、反対方向に実現した場合はさっさと諦めることが求められます。
ここで注意しないといけないのが、先ほど紹介した例の「後者」に当たる部分に話を切り替えてはいけないということです。後者の例は「アフターコロナ」を見据えています。今後も継続的に見込めるかどうか、長期的に見て回復して再び成長軌道に乗るかどうかを見ています。
なので
・ワクチン開発をリードしてる企業の株を買う
→承認が下りなかった→「でも薬品メーカーとしては状態良いし」と切り替える
・内需が高まっているから食品メーカーの株を買う
→思った以上に売り上げが伸びなかった→食品は生活必需品だし、長期保持でと切り替える
・Zoom使っている人が増えたからZoomの株を買う
→Zoomの需要が頭打ちになる、あるいは重大インシデントが起きる→リモートワークは今後も伸びるし、引き続き買いでと切り替える
といった「購入動機の切り替え」はしない方が賢明です。
理由を切り替えると「売買のきっかけを失います」。短期投資なのですぐさま結果が出ることを求めているのにいつしか、長期戦に突入するとゴールが分からず、理由もなく保持することになります。数%プラスになっていればまだ保持する意義はありますが、含み損になってしまうと塩漬け化することは確実です。
なのでコロナ関連銘柄に短期的に投資する場合は
・ルールの明確化
と
・想定が外れた場合はさっさと切って別の銘柄に切り替える
ことが大事です。
一方でこうしたことには例外がつきものです。
長期的スパンでコロナによる特需・収益の向上が続くと踏んで、長期投資対象にコロナ関連銘柄を持ってくる。例えばGILDに長期投資する、Zmを長期狙いで保持するといった作戦です。
これは「購入時点で長期に保持することを前提」としていればOKだと思います。ストーリーをどう描くか次第ですが、ストーリーと購入・売却基準が明確であれば「きっかけはコロナ」でも問題ないと思います。
要するに
・短期投資狙いだったものを長期投資にすり替えない
・長期投資狙いだったものを短期的な値動きで簡単に売買しない
ということです。方針と行動に矛盾を起こさなければ何があっても慌てずに済みます。
また、状況を客観視することが大事です。マクロ経済・経済動向を追いかけない方針であったとしても今しばらくは気に留めておいた方が良いと思います。ストーリーを揺るがすトピックが出てくると方向性が大きく変わってしまうからです。