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コロナショックの中での勝ち組・負け組

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5月に入り、株価の動向が分かりにくいようで分かりやすくなってきました。

 

全体感を持ってみると何故株価が好調なのかが分からなくなります。

・失業率はどの国も過去最悪

・景気の指標は「戦後最悪」「過去最悪」という言葉が飛び交っています

・企業の倒産のニュースが出てきている

などネガティブな材料が次々に出ています。

 

また決算結果が予想よりも悪かったところ、1-3月は何とか数字を出せたものの「先行きが全く見通せないのでガイダンス(来期目標)は出せない」とコメントしている企業も多いです。

 

投資をしている人がどこまで先行きを楽観視しているか、不安視しているかは分からないですが現状は「アフターコロナ」を折り込み始めていますし、ドルを中心に超大規模な金融緩和・財政出動が始まっておりジャブジャブお金が流れ込んでいます。これらが株高を演出しているといって良いでしょう。

 

ただ、株式がすべからく好調かと言われるとそうではありません。

NASDAQは12月末の次点を超えました。どんどん伸びて最高値を伺う動きです。

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S&P500こちらは半分近くまで戻ってきたぐらいです。

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ダウはまだ取り戻せていないことが見て取れます。

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2月までは米国株なら何でも上昇局面に乗っかれると言わんばかりの勢いがありました。ところがコロナショック後は明暗がはっきり分かれてきています

 

その要因は「足を引っ張る企業」の存在です。

分かりやすい例はダウ工業株平均におけるボーイングです。

www.newsweekjapan.jp

ウォーレン・バフェットが航空株を全て売却したニュースが大きく取り上げられました。航空業界はコロナショック後も簡単には立ち直らない可能性が高いとされています。

 

というのもコロナの影響が少なくなったとしても「海外旅行」に関しては例えば抗体を保持していることを証明しないといけないとか、検温・病歴チェックなど細かいところまで調べられるといった「ハードルの高さ」が影響するものと思われます。

 

航空業界がかつての勢いを取り戻すまでにはかなり時間がかかるとされています。

その兆候が見えないと現状の株価は割安ではなく「さらに下落する不安」を抱えたものとなります。同様に観光業界、イベント、エンターテイメントも苦しいとされています。

 

足を引っ張る業種

・航空

・観光、イベント、エンターテイメント

・交通

・石油、エネルギー関連

・外食関連

・金融

といったところがなかなか取り戻せていない状況でダウやS&P500は

これらが重石となっています。ただ「要因が異なっている」ので注意する必要があります。石油・エネルギーはコロナショックによる需要減ですが、商品市場の不安定さと原油暴落が影響しています。金融は金利がゼロ金利となり苦しくなったことが影響しています。

 

外食関連は外出規制が解放されるとその中でも勝ち負けがはっきりしてきます。

単に外出制限がかかり利用者が減っているから低迷しているというものではなく、この状況に順応しテイクアウト、オンライン販売などに注力しているシェイク・シャックなどアフターコロナを見据えた取り組みをしているところは先々変わってくる部分があります。

 

<勝ち組が粒揃いのNASDAQ

では、何故NASDAQは早々取り戻したのでしょうか?

理由はNASDAQは「ハイテク株」メインだからです。特にGAFAMと呼ばれる

Google

Apple

Facebook

Amazon

Microsoft

の勢いは早々に戻りました。Amazonはコロナが追い風にもなっています。

 

ハイテク・インターネット・クラウドフィンテック・5Gといった関連の業種は

・コロナの影響を直接受けていない

・コロナが追い風になっている(オンラインMTGの増加など)

という点で相対的に大きなプラスとなっている勝ち組業種です。

 

NASDAQの主要企業が勝ち組という点が非常に大きいです。

そしてこれが勝ち組・負け組を見極めるポイントとなってきます。

 

つまりコロナショックの影響が強いうちは「勝ち組にベットできるかどうか」がポイントになってきます。

 

ではどこが勝ち組になっているのでしょうか。例えば先ほど紹介したもの以外に

・バイオ関連(コロナウィルス対策、ワクチン開発、製薬会社)

・ヘルスケア関連(コロナウィルス、公衆衛生、体調管理、治療など)

・食料品(在宅により消費が増加)

・生活必需品(化粧品など在宅で需要が落ち込むもの以外は売上増加)

・小売(コストコウォルマートといった販売店は強い)

・ネット販売(非接触型の企業は強い)

・金鉱株(金の価格高騰、原油価格の下落によるコストダウンでダブルの追い風)

といったところがはっきりと伸びています。

 

<この時期だからできる投資方法とは?>

コロナショックにより、インデックスファンドの評価が向上しました。個別株は危険だからインデックスファンドに切り替えて影響を軽くし、市場平均のパフォーマンスを得る方が得策というものです。

 

ところが回復状況にばらつきが出始めると今度は「インデックスの中の勝ち組・負け組の存在が目立ってきます。インデックスをそのまま保持するよりも「インデックス+勝ち組銘柄」にした方が良いのでは?と素直に考えると思ってしまいます。

 

ここで気をつけないといけないのが「そもそも現在の株高は実体経済と全く噛み合っていない」点です。株式全体は何かのきっかけで再び下落カーブを描く不安がある。これを忘れないようにしないといけません。

 

なので勝ち組を追い求めすぎて全体の状況が見えなくなってしまうと転んでしまう危険性があります。

 

つまり一時的な短期的投資・利益目標を明確にした投資先として勝ち組銘柄を利用するのが適していると思います。長期的にホールドするかどうかは、「その企業の将来性」をきちんと見極める必要があります。でも今はさっと買ってさっと引いてコツコツ収益をあげていくヒットアンドアウェイ方式が良いと思います。

 

コツコツ収益を得た部分がインデックスの収益にプラスされればインデックスだけをホールドするよりも好パフォーマンスが期待できます。ただしコツコツ勝ってドカンと負ける展開だけは回避するよう全体感は見失わないように注意が必要です。