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【資産作り】新しいNISA制度が始まる前に備えておいた方が良いこととは?

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https://www.fsa.go.jp/news/r1/sonota/zeikaitaiko01.pdf

金融庁HPより)

 

2024年からリニューアルするNISA制度の内容が固まりました。

 

www.enjoy-investment.net

以前にも解説しましたが、対象年齢などが確定しましたので改めて説明します。

 

<一般NISAの変更点>

・投資対象期間が5年間延長(2028年までに延長)

・年間20万までの積立投資枠(1階)と年間102万までの一般投資枠(2階)の2階建に

・1階はつみたてNISAと同じ商品、2階は個別株やETF投資信託など従来と同様の商品の購入が可能。ただしレバレッジを効かせた商品は対象外

民法改正により、18歳から利用可能に(2023年1月〜)

 

<つみたてNISAの変更点>

・投資対象期間が5年間延長(2042年までに延長)

 

<ジュニアNISAの変更点>

 ・期間が延長されず、2023年で終了

 

ということで一般NISAの仕組みがややこしくなった点(2万円枠が増額しますが)と改正民法上未成年者向けのNISA制度がなくなる点が大きな変更点です。

NISAがなくなるという事は回避されましたが、理解が難しくなったためどの程度新NISAが普及するのか微妙だなと思います。

 

本来長期間投資することが重要なのに未成年の方がNISA利用できないというのも矛盾した話ではあります。

 

<2024年を迎える前に備えた方が良いこと>

さて感想はこの辺にして、本題です。

新NISA制度がスタートするのは2024年からです。なのでまだ時間があるわけですがNISA制度の変更内容を踏まえると「今から対策を立てた方が良いこと」が2つあります。

 

1.NISAのロールオーバー対策

新NISAは

・1階(20万の積立枠)優先(1階を一部でも使わないと2階部分が利用できない)

ロールオーバーは2階部分から枠が埋まる

という特徴があります。

 

このため、2019年以降にNISA枠として投資した分に関してロールオーバー(非課税枠として継続)させる意向があるのであればNISA枠はなるべく使い切ってしまった方が良いです。2019年分は手遅れではありますが。

 

・NISA口座残高122万円

→全額そのままロールオーバー

・NISA口座残高102万〜122万未満

→2階部分は全額ロールオーバー。NISA口座残高-102万が1階部分としてロールオーバーこの時残るのはつみたてNISAと同じ商品しか購入できない1階部分のみ(ここがポイント)

・NISA口座残高102万円未満

→全額ロールオーバー。結果1階はそのまま残り、102万-NISA口座残高の分が2階部分のNISA枠利用可能額となる。

 

ということでややこしいですが、これまでは120万-NISA口座残高の分が一般NISA枠として利用可能な額でこの枠に関してはあらゆる商品が購入できたのですが、新NISAで20万円の1階の部分がある種邪魔になってしまいます。

 

メリットに感じるのはつみたてNISAで購入可能な商品を一般NISA枠として購入している方ぐらいかなと思います。なので既にNISA枠として買っている商品を全額ロールオーバーさせて5年寝かせた方が良いと考えます。

 

ただし、これはNISA枠をロールオーバーさせる場合のお話です。

5年経過したら特別口座に移す場合は考慮不要です。売却する場合も同様ですが、5年未満の売却は余程のプラス益でない限りもったいない話ではあります。

 

2.ジュニアNISAの活用法

ジュニアNISAは未成年者の投資に対する非課税制度である一方、「成人するまで引き出せない」点がデメリットでもありました。普及しなかったのは拘束性に問題があったと思います。

 

ところが2023年末でジュニアNISAは終了します。終了に伴って

・全額解約

・一部解約

・成人するまで継続(新規に買い増す事はできない)

の3つの選択肢が出てきますが、「全額解約でも売却益全額非課税」となるため新たな活用法が生まれました。

 

それは「期間限定のNISA枠増加」です。

子供用のNISA口座を開設し、ジュニアNISA枠の年間80万円分を新たに設けた場合でも2023年で解約できるので2020年〜2023年の4年間(子供一人当たり320万円分)の期間限定NISA枠増加と見なすことができます。

 

これまで非課税メリットよりも資金拘束期間の長さを気にしていた方にとっては大きなメリットです。個人ではなく家族の資産とみなした場合ではありますが、非課税枠が増える事は大きなプラスになると思います。

 

以上2点が新NISAが始まる前にできる事になります。全員に当てはまる話ではないですが、該当する方は検討の価値ありです。