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エネルギーセクターはオワコンなのか?

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エネルギーセクターの凋落が止まりません。

2019年S&P500は+28.3%でしたが、エネルギーセクターは+2.7%でした。

株式好調の2019年でさえ+2.7%という状況です。

 

そして2020年

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原油先物指数は下落し続けており(上昇したのはアメリカとイランの衝突が危惧された時期のみ)、エネルギーセクターの株価は下がり続けています。

 

<エネルギーセクターが停滞している理由>

・価格の問題:石油を始めエネルギー関連商品の価格が下がっている

・環境問題などのネガティブイメージ

・デフレ傾向

 

一番の問題は生産量と価格の低迷だと思います。

2020年に入ってからの下落はコロナウイルス問題により需要の低迷が見込まれるから起きたものですが、石油をはじめとしたエネルギー資源の価格が下がっておりエネルギー関連企業の収益を圧迫しています。

 

ESG投資に注目が集まっていますが、エネルギーセクターは環境問題とモロにバッティングします。CO2排出、環境汚染のネガティブなイメージが付き纏います。

 

エネルギーセクターはコモディティと同様に原材料の価格が影響してきます。現時点で原材料の価格は下落・横ばい傾向です。インフレとはだいぶ縁が遠くなっています。

 

<エネルギーセクターの本来のメリットは?>

投資対象先をセクターで分類した場合、

・景気敏感セクター(価格のブレ幅が大きい、不況時の下げ幅が大きい)

→ハイテクや金融が該当します

 

・ディフェンシブセクター(価格のブレ幅が小さい、不況時の下げ幅が小さい)

→通信、ヘルスケア、生活必需品、公共

 

・アグレッシブセクター(インフレの時、景気が良い時に強い)

→工業、素材、一般消費財

 

・エネルギーセクター

 

の4つに別れます。エネルギーセクターはインフレ(生産しているものの価格が上昇する局面)かつ景気が悪い時に強いセクターです。そもそも今の経済状況と噛み合っていないということが分かります。

 

物価高により金利が上昇する局面だと景気は悪くなりますが、そういったタイミングでエネルギー関連企業は収益をあげやすくなるので他の企業と強みを発揮するタイミングが重なっていないのがエネルギーセクターの一番のメリットです。

 

<もう終わってしまうセクターになってしまうのか?>

好調の波に完全に乗り遅れてしまい、価格がなかなか上昇せず、環境面でも目の敵にされやすいエネルギーセクター。

 

人気がなく最安値を更新し、もはや配当目当てにするしかないかという状況です。さらに原油安が追い討ちをかけており、コロナショックによる急落のタイミングでも容赦無く下落しています。つまり急落時の支えにもなっていません。

 

ではオワコンなのか?そんなことはないと思います。

なぜか?

 

エネルギーを生み出す元になっているものは

「いつの時代も必要なもの」

だからです。生きていくためにエネルギーは欠かせません。

 

エネルギーの元になるものが10年後も20年後も石油なのかは分かりません。

でも石炭は今でも使われ続けていますので、石油がある日突然ぱたっと使われなくなるというイメージは沸きにくいです。

 

でもCO2削減が叫ばれる中、石炭・石油以外のクリーンエネルギーの割合が上回る可能性はあると思います。

 

なのでエネルギーセクターでも

・次世代エネルギーにも目を向けているかどうか

・環境問題に目配せできているか

・生産元などカントリーリスクの影響度(資源入手元・生産物利用先のカントリーが多岐に渡っていた方が影響度は低い)

といったところに注目した上で、「今はダメでも将来伸びる可能性がある企業」を探しておいた方が良いのかなと思います。

 

なぜなら伸びる余地があるのであれば、その企業は人気薄のエネルギーセクターの中で「不当に安い価格」を付けられている可能性が高いからです。つまりバリュー投資先として旨みがある企業ということです。

 

良い企業が何かしらの理由で不当に安い値段がついている場合は、チャンスだと思います。誰も見向きもされていない。購入したら「何故そんなの買うの?」と言われてしまいそうな銘柄は狙い目・・・かもしれません。

 

<気をつけたいこと>

オワコンと言われるのはそれなりに理由があります。

旧弊な体質、成長性が止まったかのような停滞ぶりなどネガティブな材料があるからこそという点に注意しないといけません。

 

つまりエネルギーセクター=割安株と捉えてどこでもいいから買うではダメで、価値を持っていると思われる企業をしっかりリサーチすることが大事です。