様々なETF(上場投資信託)がありますが、この3社は取扱高・経費の低さなど様々な部分んでハイレベルの競争をしています。
株式投資に関しては色々なやり方がありますが
・個別株
の2つがあります。前者は1つ1つ投資先を吟味することになります。
投資した企業のパフォーマンスが株価に直結します。影響はプラスにもマイナスにも大きいです。
投資信託とETFは運用会社があるコンセプトに従って購入銘柄などを調整します。銘柄数は数十〜数千までと商品によって様々ですが1つ1つの銘柄のウェイトは大きくても数%程度に抑えられます。
このため、1つの企業のリスク・影響度は低くなります。
ETFは1つの企業の業績以上に、コンセプトとその対象先(地域・国・業種・セクターなど)の状態が影響してきます。
<VTという全世界を相手にするETF>
VTは全世界を対象にしている数少ないETFです。
TOP10に挙がっている国は主に先進国ですが、多種多様です。
リーマンショックの後にググッと落ち込んだあとは世界経済の動向と同じように右肩上がりに伸びています。
一方でこの伸びは構成割合50%以上のアメリカの伸びによるものでは?との疑問も湧きます。
<VTと同じ狙いでもう少しバランスが取れないか?>
VTは時価総額の高い順に構成銘柄が入れ替わります。
このため「成長性の高い銘柄と国」が上位となります。
今はアメリカが絶好調なのは配分比率にも現れています。
しかし将来はどうなるか分かりません。資産作り投資は長い期間をかける投資なので、今好調かどうかよりも「長期サイクルに耐え得る」ことを重視する必要があります。
このため「アメリカ以外」にも目配せをしておきたいという考え方でポートフォリオを組んだ場合、
・欧州
・アジア
・新興国
といったところをある程度組み入れたいということになります。
VGKは欧州全体をターゲットとしています。
VWOは新興国全体をターゲットとしています。
香港・台湾・インドを筆頭にBRICsと言われる国や勢いのある東南アジアの国が登場します。
ということで
・VT一択が良いのか
・アメリカ+VGK+VWOのコンビネーションが良いのか
比較してみたいと思います。
<VT vs VTI+VGK+VWOの結果>
というサイト(全編英語です)があるのですが、このサイトはポートフォリオのバックテストができます。自分で構成を考えて設定した場合、過去に遡ったらどの程度のパフォーマンスだったかを簡単に確認することができます。
こちらを使ってVTとアメリカ+VGK+VWOのコンビネーションの比較確認をします。
アメリカの株式ETFはVTIを選択しました。VTIはアメリカの株式市場全体を対象としています。中型株・小型株も対象です。
結果はわずかですがVTI+VGK+VWOが上回りました。
ポートフォリオのパフォーマンスを評価するには
・最大上昇幅
・最大下落幅
・シャープレシオ(投資の効率を図る指標:大きければ大きいほどよい)
・ソルティノレシオ(下落時のリスクのみ考慮した投資効率の指標)
をチェックします。
VTとVTI・VGK・VWOとでは
・最大上昇幅はVTI・VGK・VWO
・下落幅の小ささはVT
ということになりました。
VTI・VGK・VWOの3つの場合、特に新興国のパフォーマンスによる影響が関係してくるのかなと思います。VTの場合、時価総額で新興国が伸びてくると割合が入れ替わりますがその度合いは3つのETFバラバラよりもマイルドになるものと思われます。
ということで単純にパフォーマンスであったり、長期目線で「どの国が伸びてもOK」な状態を作るのであれば3つのETFをそれぞれ購入した方が良いと思います。
ただ3つのETFを購入する方が「購入費用はかさみます」
投資にどれだけ予算をかけられるかは人それぞれなので、資金量を減らしたい場合はVTの方が有利です。1つのETFで世界全体に投資できるというのはそれだけ優れた商品性であると言えます。