この続きです。
前回はバークシャー・ハサウェイ社(BRK.B)への投資を検討している理由についてバークシャーの特徴やバフェットの投資哲学を織り交ぜて説明しました。
このシリーズ最後は
「グロース投資とバリュー投資の2本立てにしている理由」について解説します。
バリュー投資に関してはバークシャー・ハサウェイ社への投資を軸に「今は」します。
何故今なのかは後ほど説明します。
グロース投資を行うのは「バリュー投資に無い要素を補いたいから」です。
バリュー投資は「企業の内在価値>株価」の企業を探すところから始まります。言い方を変えると株価が上がっている状態だと購入する段階にすら行けないということです。
誤解を招きやすい要素ではあるのですが、市場が活性化し株価が全体的に高まっている。ましてやバブルを疑う声が挙がっているような状況はバリュー投資によっては好ましくはなく落ち着いた状態、できれば手を引いている人が多いような不況の状態が望ましいです。
このため、バリュー投資は割安株投資、底値を拾う投資という誤解や暴落を待っているという誤解を招きやすいわけです。
少し脱線しました。上記をまとめるとバリュー投資は「購入できずじっと待つ期間」を過ごす必要があります。
待つ期間はとにかくじっくり待たないといけません。この期間は
・現金のままストックしておく
・MMFや債券などの安全資産に移し替えておく
という選択肢が考えられます。
ETFや投資信託であれば相応にプラスが得られる可能性がありますが、現金やMMFではほとんど変わりません。
変わらないので見方によっては機会損失とも言えます。
(この見方は賛否両論あります)
この機会損失を回避するための策がグロース投資です。
グロース投資は企業の成長性と株価上昇に期待して投資を行います。従って
・株価が上昇中の銘柄
・近い将来上昇が見込まれる銘柄
が投資対象です。また市況が好調であることが条件です。不況だと株価が全体的に下がりやすく下がってしまっては投資の効果が得られないからです。
グロース投資の第一人者は「ウィリアム・オニール」です。
彼が提唱しているCAM-SLIM(キャンスリム)はEPSの成長性や企業の優位性を評価し、市況が好調の状態を見計って上昇中の銘柄に投資します。
このため
・短期的に利益を得られる可能性がある
・上昇中の銘柄に素直に投資すれば良いので分かりやすい
という特徴がありますが、何らかの理由で市場全体の株価が下落するような局面には弱く損失が増えていくだけです。
従ってグロース株投資の場合「損失の許容額」を予め設定しておくことが大事です。
このタイミングで売却するという明確な基準を決めておかないと収益がなかなか上がりません。
逆に言うと明確な利益・損失の判断基準を決めておき、それに従うようにしておけば「万が一の暴落」が起きた時に大きな損失を回避することができます。
損失回避のルールを明確にした上で、現在好調の株式相場に投資を行い収益をコツコツ得ていく。好調が持続するならそれはありがたい話で、収益を得ていけば良い。何かのきっかけで下落してしまうのであればルールに応じて売却しグロース投資を中断すれば良いと考えました。
バリュー投資、バークシャー・ハサウェイの投資では収益を手に出来ない時期の補強としてグロース投資をするという方針です。
この方針はバリューとグロースを使い分けることになるので手間は格段に増えてしまいます。常に株式市場・株価をウオッチしていないといけないですし、投資した企業のフォローも必須です。
手間を惜しむのであればETFなどウォッチの手間を減らす商品に投資をすることで代替できます。
<何故今はバークシャー・ハサウェイ社への投資=バリュー投資なのか?>
冒頭触れた話ですが、これは「バリュー投資に必要な企業の選球眼を磨く時間を稼ぐため」です。
バリュー投資を成功させるには
・企業の内在価値の見極め
・購入タイミングの見極め
が必要です。内在価値を見極めないと何故この株価なのか判断がつきません。
内在価値の見極めはすごく時間がかかります。財務・決算・企業の取り組み・将来性に繋がる材料の分析力を磨く必要がありますがこれはすぐにできるものでは無いと思います。
だからウォーレン・バフェットは凄いということになるのですが、バフェットの投資方法の原理原則は非常にシンプルなものです。
・良い企業をそこそこの値段で買う
・良いと思った企業が価値を損ねていないのであればずっと保持しておく
・損をしないこと、これを絶対守ること
といった原理です。
これを自分で実現するのはなかなか困難。でも少しでも近付けられればという想いがあります。
とはいえ今は資産を拡大させていく段階。無理ができないのでバリューの部分は巨人であるバフェットの背中に乗って楽をします。
この間に冬が来ても大きな損失にはならない可能性に投資します。
バークシャー・ハサウェイ社、バリュー投資が報われる局面は暴落局面ではなく、暴落後に上昇する局面なので今は「仕込み時」という話ではありますが。