前回この記事で個別株投資の方針を整理し
・成長株を1,2銘柄集中投資する
・下落局面に強いと思われる銘柄に長期投資する
という方針の元、長期投資の対象銘柄として「バークシャー・ハサウェイ(BRK.B)」
に投資するとお伝えしました。
この理由を説明します。
<1.バークシャー・ハサウェイとは?>
・傘下には損害保険会社、鉄道会社、エネルギー会社など多くの子会社、関連会社を抱える
・投資会社として上場企業の株式を保有
元々は紡績会社だったのをウォーレン・バフェットが買収。大きな損失をもたらしたと言われていますが、優良かつ安価な企業の株式を購入あるいは買収することで立て直しを図り世界最大級の持株会社へと変貌させました。
セクターは金融ですが、これは保険会社が最も売り上げを上げているからです。保険会社の資金を活用して投資・買収を行なっています。バークシャー・ハサウェイ社の資金源というわけです。
<2.ウォーレン・バフェットの投資哲学とは>
バフェットと言えば「バリュー投資」というキーワードが浮かびます。
バフェットの株の買い方は簡単に言うと
・良い企業の株式を程々の値段で購入する
・購入した株式が高くなったら売却する
・売却した時に得た多額の現金でまた良い企業の株式を購入する
の繰り返し。これだけです。
バリュー投資というと安い時に買い高くなったら売る。
だから株価が下落したり、何かネガティブなことがあったら株を購入するチャンスだよとされていますが、バフェットの著書を見るにさらにバフェットのポートフォリオを見るに必ずしも下落したら買うわけではなく「企業の内在価値>株価」となったら買う方針と読み取れます。
これがバリュー投資の面白いところであり、厄介なところです。
つまり
・企業の内在価値の見極め方
・購入ポイント
が分からないとバリュー投資で収益をあげることは難しいです。
著作やネットの検索でバフェットの様々な言葉が発せられていますが、彼が話していることは原理原則であり哲学です。具体的に「こうしなさい」とは示されていないので言葉を咀嚼して応用させる必要があります。
企業の内在価値を見極めるためには目をつけた企業の財務状況が読み解けないといけないですし、購入ポイントを見極めるためには市況・相場以外に企業の決算や特有の問題が起きていないかなど常に観察しておかないといけません。
バリュー投資、バフェットの投資哲学を一般投資家が実践するには相当な労力が必要なことが分かります。
<3.バークシャー・ハサウェイに投資する理由>
では様々な材料を調べる時間がなく、精度を高めて判断力を向上させるための材料が不足している一般投資家はどうしたら良いか?
その答えの1つがバークシャー・ハサウェイ社の株式購入だと思います。
バークシャー・ハサウェイ社をアクティブファンドの1つと捉えて、S&P500などに投資するという考え方ですが、現状BRK.B株はS&P500と比べて優位に立っているわけではありません。
記事は2018年ですが、米国株式が絶好調であった2019年はS&P500の方が優位であったと思われます。これはグロース株vsバリュー株で2010年代はグロースの方が勝ち越したという話ともリンクすると思われます。
ではなぜあえて劣っている方を選ぶか?それは
・2020年代もグロース優位とは限らない
・バフェット(バークシャー・ハサウェイ社)は既に暴落への備えができている
という2点に乗っかりたいと思ったからです。
グロースvsバリューは2010年代はグロース優位でした。
先々この記事にあるようにサイクルが終焉を迎えるとは限りません。
ただ、資産拡大段階の投資において大きく損をすることは回避しないといけません。
このため
・資産拡大に繋がるグロース銘柄への投資
をしつつ
・サイクル終焉時、大きな下落局面への備え
を行う必要があります。2020年代どこかでグロース優位が終焉しても良いという構えをしておく。逆張りをしておくということです。
バークシャーは現金を着々とストックしています。
直ちに景気が悪くなるとは限らないですが、好調が続いている状況に対して「その先の可能性」を見据えていることが分かります。
なので、今は全体的に好調でウハウハな米国株式とは対照的にBRK.B株は伸び悩んでいます。
S&P500と比較すると伸び方がイマイチです。
ここでもう一度バフェットの投資方法をおさらいしましょう。
・良い企業の株式を程々の値段で購入する
・購入した株式が高くなったら売却する
・売却した時に得た多額の現金でまた良い企業の株式を購入する
現金を増やしている今は青字の状況ということを示しています。
好況だから株価が上がっている→売却して着々と現金化。
恐らく大幅下落した時に何を買うかのリサーチも進んでいるものと思われます。
一般投資家がこれを実践するのはかなり勇気が必要です。
機会損失の受け入れと忍耐が求められるからです。
現金をストックしているということは今がまさに好況であることを示しており、その先には暴落である冬の局面が待っているということです。
ただしいつ冬がくるかは分かりません。明日かもしれないですし、5年後・10年後かもしれません。
少なくとも一般投資家がいつやってくるか分からない冬を万全の状態で備えるのは相当難しいです。
なので自分で取り組むのは無理のない部分だけに留めて難しい部分はプロの力を借りる。資産拡大期の今は巨人の背中に乗って楽をしながら、いつか訪れる冬場をやり過ごす。
この作戦を1つの柱とします。
もう1つの柱は成長株投資です。なぜこれをもう1つの柱とするのかは「その3」で説明します。