今回はこの本を紹介します。
著者の広瀬隆雄氏はJPモルガンなどで投資業務を長らく経験。一方で早くから株式投資特に米国株についてブログやTwitterなどで発信し、自身の経験を交えて様々な情報を一般投資家に向けて提供しています。
この本は2014年発刊と古いのですが、内容のほとんどは今なお十分に勉強になるものばかりです。
銘柄など時事的情報は現時点の情報に置き換えて読む必要があるものの、それ以外は原則論+筆者の経験に基づく見解で構成されております。
優れているのは
・様々な投資法について矛盾なく解説している
・原理原則の観点で解説している
点です。
例えばバリュー投資であれば単に価格が安い株を買うということではなく、財務情報など丁寧に数字を読み解く必要がある、グロース投資であれば躊躇なく損切りできるかどうかなど投資法毎に特徴とメリットだけではなく、注意すべき点を1つ1つ整理しています。
特定の投資法に特化しているわけではなく、バリュー・グロース・長期/短期・先物・デイトレード・バフェット流・オニール流と様々。
このため、米国株を中心にこれから個別株投資を始めようという方にオススメです。
内容は若干専門性があるものの、ブログなどの情報発信に長けた方ということもあり理解しやすい言葉で書かれており読みやすいです。
以前紹介したこれらの記事は「Market Hack流〜」を読んで学んだことを活かしています。
投資方法についてはある方法を紹介すると、それとは対極の投資方法についてマイナスの見解となる方が多いのですが、投資方法は
・特徴とメリット、デメリットが必ずある
・絶対の投資方法はなく、特徴とメリット・デメリットを必ず理解した上で選択する必要がある
ものであり何かを選択することで別の何かを否定するものではないと思います。
広瀬氏は例えば長期投資はリスクが少ないから○、短期投資はリスクがあるから×といった切り口ではなく「どちらが自分に合っているかまず試してみるべき」というスタンスです。
これは独自ですが、重要だと思います。リスク許容度や資産状況は様々ですし、投資に絶対の方法はないので「この方法じゃないとダメ」といったもので語るべきではないと思います。
投資方法を多角的に紹介している本は意外に少ないので、これから勉強するという方や既に始めているが勉強を継続しているという方に特にオススメです。