きっかけは2019年7月に
の3社が米国株の最低取引手数料の無料化を始めたところからだと思います。
その後各社は手数料などの価格引き下げ競争を続けています。
投資家にとっては手数料がなくなる方向に向かうのは非常にありがたいです。
・少額投資がやりやすくなる(今までは手数料がかかることで、収益を圧迫していた)
・購入費用の削減
といったメリットがあります。
では、証券会社にとってのメリットはなんでしょうか。
これまで証券会社は株や投資信託を購入する際にかかっている手数料から得る収入が重要な収益源でした。
投資信託は徐々に「ノーロード」と呼ばれる購入手数料無料の商品が出るようになり、投資ビギナーの囲い込みのきっかけ作りとなっていました。
つまり、
1.手数料無料の投資信託を買ってもらう
2.投資信託は信託報酬(保有時にかかる運用手数料)が発生するのでそこから収益をあげる
3.他の投資商品も買ってもらい、そこから収益をあげる
といった収益獲得モデルを推し進めていました。
この収益獲得モデルが手数料無料化によって変わってくるわけです。
証券会社は手数料に変わって「運用利益中心」に切り替わろうとしています。
そうしないとお客さんが獲得できないからです。
顧客からすると手数料など細々したコストはかからないに越したことがないわけで、コスト削減に励んでいる証券会社(利便性が良ければ尚良し)に切り替える動きが加速します。
ついていけない証券会社は顧客を取りこぼすことになります。
ネット証券最大手のSBI証券は
「売買手数料・投資家負担の手数料などの無料化」を掲げています。
最大手が無料化に舵を切った以上、他は追従せざるを得ません。
ということで我々投資をしている側からしたら何度も言う通りありがたい話です。
一方で、手数料に変わって運用で稼ぐやり方に切り替えた場合、純粋な運用益(プラス分)を活用する方向に向かってくれれば良いのですが、信託報酬がやたら高い投資信託を販売してきたり、運用マージンを巧妙に取るようなやり方で情報収集力が低いビギナー投資家などからかすめ取るような方向には向かって欲しくないですね。